第33話 速攻
「頼もう!」
アイリスは、勇ましく言う。何かと勘違いしているのは明らかだ。太一が慌てて表に出ると、社務所の前にアイリスが1人で立っている。誰がどう見ても、怪しい。
「はい、どうしましたか?」
太一はなるべく刺激しないように応じるが、近付くにつれ太一自身が強い刺激を受けるようになる。健全な男子高校生なら誰もが、生唾ごっくんの2次元ボディーがそこにいるのだから仕方あるまい。
「私は、アイリス。ここに住みたいのだ!」
「……。ここは社務所ですから、住めませんよ」
「そっ、そんなバカな! 住めば都のなんとか荘ではないのか!」
そのとき、太一は今朝の日供祭での光龍様の言葉を思い出す。だから、速攻でアイリスを巫女にしようと考えた。こういうときに、迷いは禁物だ。
「……。強いて言うなら、そこの建物にだったら住めますけど」
「ここに住める? 貴方の一存で決めてしまうの!」
「まっ、まぁ。ただし、条件がありますけど……。」
「ヒーローくもない家に住むための条件について考えてみた件!」
「……。俺は、この光龍大社の宮司で鱒太一と言います」
「ようこそ実力至上主義の大社へってわけね……。」
「ははは。で、今、巫女を募集してるんです」
「巫女? 今日からミ女!」
太一には一切のためらいはなかった。例えどんなにアイリスが拗れていようとも。アイリスのパイスラのスラの部分が左右からのパイ圧で垂直になっているように、真っ直ぐにアイリスを見つめる。
「ねぇ、アイリスさん、巫女やらない?」
「えっ……。」
「手伝ってくれる人が必要なんだ」
「はいっ、喜んで!」
こうして、太一の速攻は成功し、アイリスは巫女になることが決まった。
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