強者が媚びるさまはうつくしい

強者がさらに強者を認めてるということだから

強者にとって、負けは甘美

ときには救済でさえある

★

われながらわけのわからない人生を送っているなあと思う。

★

私は、愚直にも、信じていたのよ、

人間が、人間が、人間が、

そんなみにくくちっぽけで俗なふるまいをするはずない、って。

そういう心の動きがあったとしても、恥じてるはずだって。

そうじゃない。

むしろそうじゃないのだよ、きれいなことだけを信じたかった自分よ。

物語、というのはそれだけで濾過された現実なんだから

きれい、きれいに決まってるんだ。

汚くたって、おなじこと。

そこには意味がある、価値がある。

たったそれだけのこと。

なにも。なんにも。

失望することはないのだ、……世界はここに在るのだよ私。

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