20161116
××界隈がよく言う残酷な世界の法則がありまして、「なりたいものにはけっしてなれない」というやつですね。つまり私は天才になりたいのでけっしてなれないのですね。その論理で言われるんだよー。「××ちゃんは、権威にならなれるかもね」って。そうよねだって私権威になりたいわけではないもん。
そのことをはじめて言われたのは拾い上げされたばかりくらいの時期だったが、妙に納得したんだな。するりと自分のなかに落ちていった。そしてじわじわ意味がわかってきている。じっさいねえ、実力や実績に見合わず、底辺とはいえ、××界隈での権威っぽくなってきてて自分でも面白いやら恐ろしいやら。
権威を目指したことなどいままでの人生でいちどもないんですがねえ、そもそも天才を目指す人間は権威などに興味もたないでしょ、っていう……。
ないんですがねえ、というか、興味もったことないから権威になりうるんだよな、知ってる知ってる……。
逆説の論理って世界中に散らばっていて面白い。
私はほんと運がいいのか悪いのか、先輩作家さんの言葉をまんま借りると「大きすぎる仕事が降ってくる」とこがあったり、一冊出しただけでたいして売れずその事実だけ見れば底辺なのに「××ちゃんは好きに書けばいい。それが許される作家だし、それしかない」って言われたり、もろもろ特殊なんよねえ。
プロットの話してても、「どーゆーことですか???私プロットって組んだことなくてー」とか言うと「××ちゃんはそれでいいんだから、やってけるんだから、いまはちょっと黙ってて?」みたいに突き放されるからな……「プロットが皆無でデビューしたやつはほかにいない」と皮肉られたしねははっ……。
あとびっくりしたのは、鬼のようにめちゃくちゃ売れてる先輩作家さんに、礼儀としてだけれど本音でもね、「ご活躍のお噂はかねがね……!」みたいに言ったら、「いや、××ちゃんみたいに俺は電撃では出せないんで。たいしたもんです」って言われて、お世辞かもだけれどまじで「!?!?」ってなった。
そうねえ、電撃は特殊!って学べたのはほんと今回の大きな収穫だなあ。「おまえは電撃以外で書けるとでも思っているのか???」とさんざん脅されたー☆
ほんっと、ねえ、運がいいのか悪いのか。
あなんか今回の温泉は私にとっては嬉しいことたくさんあったよ、びっくりびっくり。
「柳に文章を気に入られると苦労する」っていうよくわかんない説ができあがっていて、新人さんの文章で、「××ちゃん、これどう?」「いやーーーきれいですね!好き!」「ほら!やっぱりな!かわいそうに!」っていう流れがあるんで、あんま私に文章気に入られないほうがよいですよ。ほんとほんと。
あのときは友人のおふたりもう寝てたんだっけねえ、ああそうか、深夜の2時くらいから「最後の一文が決まらん!!!」とかいう流れで夜も遅かったしってことで私が先輩作家さんに便乗してさんざん新人さんいじめさせていただいたときだな。ほーんとやなやつだよねー、歴史は繰り返すわー。
世の中の真理の多くが逆説の論理でできあがっていることはなんとなーくわかってきたが、それにしたって不幸体験が幸福に結びつくみたいなのはどうかと思うのね、まあ私自身がそういうとこあるからねなんとも言えんのだが、不幸というのは不幸でしかなく、幸福の前提になるのはおかしいのでは……。
過渡期なんだと思う、逆説の論理の時代なんだと思う。ここを克服できるかっていう広い視線ももっているけれども、私はとりあえず周りのひとがもっともっとらしくなってくれて、私ひとりでは見られない景色を見せてほしいなっていうそのことが楽しみで、だからこそこの逆説がなあ、ってね。
日常において歴史がわかるってそういうこと。
私だっていまの必然が偶然で構成されていることがいちばん怖いのだし、だからこそ必然をまもろうとそのことにだけは必死で、それってあーんまよくないんだろうなーと思いつつも、それがなくなったら私の生きる意味が半減する。
先のツイートは「そのこと」と「それ」の指し示すものがそれぞれ違うので校正さんにかけたら一発でアウトですが、わざとやってます、いいじゃんねツイッターなんだし体感言語をだいじにしよ?
もっとも身近な例で言うのならば、「社畜」の論理。あれは逆説の論理の典型例。いつまで続くんだろねえ、でもあの論理が克服されるっていうのは逆説の論理が克服されはじめるってことだし、黎明期をつくるのは、だれなんだろうね、そしてなによりどういう論理構造なんだろ。いまから楽しみではある。
私が現役のうちに黎明期がはじまるとよいのだけれど、と思ったけれどもよく考えたらさいきん巷では逃げていいんだよ!系の漫画流行ってますねえ、するともうそういう論理構築は済んだのかなあ、まあでもまだちょっと終わってないわよね、やっとアンチテーゼが出てきたってとこかしらねえ。
私はいまのところそちらの論理構築に参加するつもりがないというか私の能力と素質では現状無理、なので、静かに見守っていますわあ。
私は「救済の論理」に生涯、と言いたいけれども人間変わるのでね、とりあえず向こう五年か十年くらいは「救済の論理」の構築にすべてを賭けたいと思っていて、じっさいいますべてを賭けている。だから私いまこころ穏やかで楽しいんだと思う。
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