スタンドバイミー論

……しぬんじゃ……???

がんばりすぎるのだいじょうぶなんか???


むずかしいのよねー。そういう、自分だけが世界でいちばんむりしてますがんばってます! モードんときってさー、

まわりのこときかないばかりか、逆効果な場合もある。

いかに、あなたはほんとうにがんばってて、それはすばらしいことですごいことで、

かつ、あなたはがんばってもがんばらなくてもそこにいるだけで価値があるものなのだと、

そういうのをいかに伝えるかがだいじってとこある、

そしてそれっていうのはつたえかたむつかしいのよね……ほんとに。


だから私は究極的には"Stand by me"を真理としちゃうんだけど……。

だって、ゆっても変わるときは変わる。そうでもないときとか、逆効果のときもある。

ともかく長い目で「そばにいる」ことしかできないんでないかな、

とくに、それが友人や知人という距離感だったら……。


なんて。おもうんだけど。

でも、もどかしく。もどかしいのよ。

思わず声をかけちゃいたくなるときもある、じっさいかけるときもある。

でもそれがかならずしも相手のためになったかな……?



私の知らない景色を知ってるあなたはすばらしい。

きっと私にできないことも知らないことも、

いろんなことできて知っていて、

いや、もっとちゃんと言えば私が知ってる知らないどうこうではない、

あなたが、その個性で、

ひととしてそこにいることがすばらしいの。


そう、思うんだけど、

いまどきそんなきれいごとみたいなのベタで言っても通じないから、さ。



いろいろ考えてはいるんだけど。



なんで、だろうね。

なんでそんなにみんながこんなに苦しいんだろうね。

おかしいよ。

ぽつりとつぶやくことしかできないのも、おかしいよ。




じっさい私だってどうしようもないすくわれがたさを経験してるからなおさらです。

あのときはだれもたすけてくれてない、たすけてくれないと思ってた。

スタンドバイミーの効果は遅延しますから。即効性ではないですから。

それでも即効薬がほしかった、

けど、私をなおしたのは、なんてことない、彼がずっと私のそばにいてくれたからだ。

なにもべたべたするってわけじゃない、もちろん。彼はむしろそういうところははっきりしてるしどちらかといえばドライだった、かつてもいまも。

けどちゃんと時間をつくってくれた。

定期的に会って、そのとき楽しくとも気まずくとも、もっかい会って、

そういうのを繰り返して、私がまず最初に信じられるまで、

けっこう時間がかかった。いまでこそ彼に対してみじんも不信はないいちミリもないけれど、

当時の私はそんな目がくもるくらいにもんのすごく疑いぶかかった。

まわりのせいでばかり傷ついて、損なわれてたと思ってた。

彼のことはそんななかでもあえて疑う必要はないと思ったからいちばん最初にそのきもちをうけいれた、

でも信じたくても私のほうが弱かった、ゆるいでたの、ゆらいでたのね。

けど、彼は、私のそばにいてくれた。ずっと。

ひとときもはなれてないと思う。……むしろそこは私のゆらぎがいま痛いほど、痛い、……痛い。

べつになにをしたってわけじゃない、「あんたを救う」とかそんなこと言われてないよ。

けど、彼がしたのは、そういうことだ。


ただ、そばにいること。


それがいかにどんなに困難か……。



わかっているから、声をかけられず。

でも、わかっているから、声をかけるべきだとわかる。


たとえ傷つけられても。そのときは拒絶みたいにされようとも。

……愛はね、遅延性ですから。



そういう意味での愛をばらまきたいの――私は、彼にもらったから、もうみたされている、から。

けど、そんなことさえも、

うえからめせん、しあわせなもののごうまん、きゅうせいしゅきどり、

と、

言われてしまうね、言われてしまうよ、そうだよ、……私もそう思っていたね。



どうすればいいんだろう。

どうすれば、みんなが、もっとらくになりますか?

その、可能性を、最大限に発揮できるような、

私がちょっと妬いちゃうような、お互いちょっとお互いの能力に妬いちゃうような、

そんな、えへへってめくばせして笑いあうような、……すてきなよのなかになりますか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る