偽善者であることについて
偽善、と言われると、
私にとってはだいたいやってることは偽善になってしまうしねえ。
そもそもごく一部のほんのわずかなひとたちを除けば、
私は他者に共感することも、
他者に対してなにかあたたかい気持ちをもつことさえも、
どうも不可能っぽい性質なのだから。
論理や理屈で考えることはできるよ。
このひとは、こうすればもっと楽になるだろうとか、
こうすればもっと可能性の上方にいくことができるだろうとか。
そういうのは積極的に私は関与していくけど。
眠れない夜に思い出すたくさんのなにかのうちのひとつが私でありますように、
私であってもいいんだよ、というメッセージをつねに送るよ。
なんでそんなことをするんだろうね?
あたたかい感情なんてなにもない、
いつでも視線が冷たいくせに。狂気の科学者じみてて嫌だねえ。
きっと、うつくしいからなんだ。
人間が変わる瞬間、いやもっと言えば、
顔を上げて高みを知るときのそのときの光は最強にうつくしい。
……やみつきになるね。
それに、それにさ、
悪いこたそんなにしてないよ私。
殺すわけでもなし。生かすんだもん。
……そういう言いわけばかり自分のなかで繰り返して、
おせっかい、ときょうもいちばんだいじなひとの言葉を思い出して笑いながら、
私はきょうも、救済のつもりの勝手な行為を、繰り返す。
ええ。繰り返し、ましょう。ましょう、よ。
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