第54話 100円玉
いつもの最寄り駅から途中にある自販機の下に、100円玉が落ちていました。しかし、溝の下に落ちている。つまり溝の蓋をめくらないといけない。私はとっさに考えた。そして、すかさず周囲を見渡し、一人歩いていることを確認。ジュースを買うふりをして、通り過ぎるのしばし待つ。再度、100円玉を確認。蓋をめくれば簡単に取れること、とてもいい日となりそうだと思った。だが、よく見るとその溝の蓋が、隣の蓋が金具でつながっているではないか。何個も何個も。もし、1枚をめくるとなれば、相当の数を持ちあげなければならないし、その分が重くなる。残念、そこで私は諦めることにし、家路につくことにした。
道路を管理する施設からすれば、100円玉よりも溝の蓋を盗まれる方が嫌なんだろうな。盗む方も100円玉より、蓋の方がお金になると思っているのではないか?
後日、その自販機を確認したが、もう100円玉が無かった。清掃時に回収したのが、清掃のふりして回収したのか、深夜に回収したのかは不明だが。少し損をした気分になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます