第8話
「つーか」
「ホー?」
新しく使い魔を入手したら兎に角使い魔にした生物のについて調べることにしているので、今日も今日とて彼は父親のノートパソコンを勝手に引っ張り出してそこそこ長い付き合いのフクロウについて調べようとしたのだが…。
「お前の種類がよくわからないんだけど」
「ホ!?」
何かしら特徴的な外見をしていればそれをキーワードにパソコンに入力し調べることができるのだが、彼女の見た目は大きめなコノハズクでしかなく調査は行き詰っていた。
だが、使い魔にしたからなのか、あるいは直感からなのか、何はともあれ優人はこのフクロウがただのコノハズクではないと確信していた。
「絶対お前ただのコノハズクじゃないよなぁ」
「ホー!ホー!」
優人の発した言葉にあたりまえだと言わんばかりにホーホーとオールが吠えた。
「でもなぁ…見た目があまりにも普通のコノハズクすぎる!なんかないの?」「オー!オー!」
その言葉にとうとうオールが激怒し、室内を飛び回った。
「」
オールの飛び回る姿に彼は言葉を失った。
なぜならばその飛び方が鳥の飛び方ではなく、まるである昆虫のような飛び方であったからだ。
「なっな…なんじゃそ」
その飛び方は、と言おうとした矢先にオールが顔面めがけて突進してきたではないか。
「うお!」と顔面をかばおうと腕をかざしたが、オールが顔面へと直撃することはなかった。
優人に直撃する瞬間に空中で急停止!そのまま急バック!急旋回!また急停止からの急加速!
そのあまりの目まぐるしい動きに彼は全くついていけない。
「なっ、なんちゅう速くて精密な…」と彼の脳裏にある一匹の昆虫が浮かんだ。
その昆虫は空中で急停止、急加速、バック旋回ホバリングができ、昆虫の中でも特に飛行が優れていると言われており、この飛び方を再現することは非常に困難であるといわれている。その昆虫の名は…。
「トンボかぁ~!」
「オー!!!」
そう納得してさっそくパソコンへキーワードを入力したその時、空中でホバリングしていたオールが突如急加速!オールの頭突きが優人の頭に直撃した。
「フガ!?」
「オ゛ー!!!」
そのあと激昂したオールにさんざん攻撃され、何とかオールがトンボフクロウという種類であると突き止められたのだが、騒ぎが耳に入ってきたのか、父親がこちらへ近づいてくる音が聞こえて慌てて撤収の準備をし、何とかばれずに済んだのであった。
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