ミオの下着(1)
翌朝。
今日もいつも通り、先に早起きしていたミオの呼ぶ声で目が覚めた。
時計の針は午前六時を少し回ったくらいだ。
昨夜は日付が変わる前に眠りについたので、睡眠時間も疲れも充分に取れたと思う。
さて、今日の朝ご飯のおかずは何にしようかな。
いつも通りのスクランブルエッグにするか、たまには目玉焼きの下にベーコンを敷いて、カリカリに焼き上げてみるか……。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
顔を洗うべくやってきた洗面所で、ぼんやりとした頭のままあれこれ考えていると、背後にいたミオが、何事かと声をかけてくる。
「ああ、ちょっと朝ご飯のおかずをね……」
とまで言って後ろを振り返った瞬間、俺の目にとんでもない光景が飛び込んできた。
洗面所の水を流しっぱなしにしていた俺の様子を見に来たミオは、なんと上半身裸で、下はミストブルーのパンツ一枚というあられもない格好をしていたのである。
「ミ、ミオ! 服!」
俺は赤面した顔と視線を両手で覆い隠しながら、ミオに服を着るよう促した。
「えー? 何?」
ミオが大声で聞き返す。ジャージャーと流れる水の音で、俺の声がよく聞こえないらしい。
「いや、その、裸が……」
「裸がどうかしたの?」
ミオが不思議そうな顔をしながら近づいてきて、俺の顔を見上げてくる。
すると覆い隠していた手の隙間から、ミオの裸体が視界に入り、俺は思わず目をそらした。
「何で何も着てないんだよー」
「あ、これ? えっと、今日はどんな服を着ようか迷ってたの。だからお兄ちゃんにも一緒に選んでほしいなって思って」
「分かった分かった。分かったから、とりあえずシャツだけでも着ておいで」
「そのシャツを選んでほしいんだけど……」
「うっ。でもミオがそのままだと、俺も集中して服選びできないよ」
「どうして?」
「どうしてって言われても」
「ねぇお兄ちゃん。もしかして、ボクが何も着てないから目をそらしてるの?」
「もしかしなくてもそうだよ……」
「でも、ボク男の子だよ。お兄ちゃんが男の子の裸を見ても、何も変じゃないでしょ?」
「そ、そうなんだけどさぁ」
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