いつか、主人公になれると信じた私へ

マージナル(旧春木直樹)

かつての私へ

 君はいつだって、希望のようなものをもっていたね。そんなものは無いと、頭で分かっていながらも、『もしかしたら』を捨てられなかった。

窓際の一番後ろの席になる事もなかったし、異世界に召喚される事もなければ、謎の転校生もいなければ、美少女の生徒会長もいない。幼馴染なんて、欠片もない。


 学園で殺人事件もなければ、バトルロワイアルもなければ、急にモテるなんてない。義理の妹もいなければ、なんだか距離の近い女友達なんていなかった。


魔術は絵空事で終わり、超能力は空想で終わり、特別な力は身にやどることもなく。


 いや、あったとしてもきっと、君はモブだろうな。今の私を見ればわかる。


 だけど君は、『何か』が起きると、半ば盲信していた。それを『未来への希望』と呼ぶかは、過去の君に任せるよ。


 なあ、君よ、何故そんなに信じてたんだい。信じる分、裏切られると頭でわかっていながら、

なぁ、何をそんなにキラキラした未来を見ていたんだい。それとも何かい?

『可能性は無限』なんて本気で信じていたのかい。

今から警告しておくよ、間違いない、君の未来は暗いものだ。

少なくとも、君の『盲信』は腐った空想にすぎない、そこ未来はないのさ。


 だからこそ、今、至りたいと思うのだろう。『死』という物に。

もしかしたら死んだら『やり直しできるかもしれない』『その時不思議な事が起こった』となるかもしれない…そう、今でさえ頭から離れない。


 なぁこんな大人になってしまうんだ。だから…君の『希望』は捨てるべきものだったんだよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつか、主人公になれると信じた私へ マージナル(旧春木直樹) @Haruki1987

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ