第13話 Hybrid製作 Days one
ズラッ
一列になって横たわる
ガチャン
機械が動く音
ガチャン
成田「これより一回目の注入を行う
注入する量はそれぞれに異なる
なぜなら、同じ地球人であっても
生い立ち、それから性格や思い癖など
千差万別だからだ
我々の世界の人間として
しっかりと役目を果たしてもらう為には
適した状態に仕上げていく必要がある
また、副作用に関しても
同様に個人差はあるが
何かしらの異変はあると思う
めまい、吐き気、頭痛、倦怠感などが
挙げられる
注入が進むにつれて症状も和らいでくるので
しばし我慢を」
佐藤(内科医)
この真緑の重そうな液体が闇因子か
こんなもの体に入れて大丈夫なのか
まぁどうなったっていい
俺に選択肢などない
家族も今頃、俺がいなくなって
せいせいしているに違いない
地上では、俺は脱獄犯として
今頃、警察が探し回ってる頃だ
液体が渦を巻きながら上に上がってくる
ドキン
ドキン
ついに入ってきた
ドキン
ドキン
コソコソ
遠藤(Escape plan )「あっち見てみろ
俺らより量が少なくないか」
加山「あぁ、ほんとだ
噂によると、彼らは殺人犯とか強盗とか
犯罪を犯した人間の集まりらしい」
「まじか」
「あれじゃないか
それだけの事ができるということは
思考をそれ程変換しなくても
この世界に馴染めるってことじゃないのか」
「あぁ、なるほど
俺らは善良な市民てわけか」
「善良ではないかもしれないが
犯罪は犯してないからな」
「まぁ、詐欺も犯罪の一つだけどな」
「そうなるか」
「今、体調はどうだ?」
「俺か?今のところは暑いぐらいだ」
「俺は、軽い頭痛だ」
「この程度ならなんとかなる」
成田「一回目の注入後、食事を取りたい物は
取ってもらって構わない
最終的にHybridとなった暁には
食事を受け付けるか
全く受け付けなくなるかについても
個人差がある」
佐藤
はじめは何も感じなかったが気持ちが悪い
それに体中が異様に熱い
チラッ
周りを見渡す
周りも同じような感じか
遠藤 頭が割れそうに痛い
加山 俺もだ
うわっ、すげぇ湿疹だ
すごいな、顔にまで広がってる
こんなのがしばらく続くのか
ガチャ
扉が開く
酒井「どうだ、様子は」
佐藤「どうもこうも」
酒井「まぁ、そうだよな誰もが通る道だ
初日が一番辛い」
遠藤「一つ質問がある」
酒井「あぁ、何だ」
遠藤「日本に起きていた一連の騒ぎは」
酒井「全ては我々世界が起こしたこと」
加山「やはりそうなのか地球を滅ぼす為に」
酒井「そうなる」
佐藤「あのウイルス騒動は
そういうことだったのか」
成田「そうなる
最終手段として爆発事故を全国で起こし
地球を滅亡させる予定だったが
司令センターの邪魔が入り失敗に終わった」
遠藤「司令センター?」
成田「司令センターとは
地球を司る母体の様なものだ」
佐藤「そんなものが地球にあったのか」
成田「正確には
地球と次元が違う場所に存在する」
遠藤「次元?」
酒井「それを説明すると長くなる」
佐藤
闇の世界に、司令センター
信じられないが
そんなものが本当に存在するとは
加山「さっき言ってた爆発事故って」
成田「君らは知らないが
日本の47都道府県の地下深くに
装置が仕掛けてある
スイッチを起動させると爆発し
その地域に住む人間は一人残らず
一時間で死に至る」
加山「すごいな」
遠藤「で、起動させたのか」
酒井「あぁ、北海道、四国地方全域それから
京都は全滅だ」
遠藤「四国.....全域.....全滅」
酒井「あぁ、そうだ」
加山「ゴホッゴホッ、嘘だろ」
成田「君らは確か富裕層の人間を四国地方に
移住させて稼いでたんだよな」
遠藤「えぇ、まぁ」
成田「そこを狙ったんだよ」
加山
そうだったのか
四国だけは安全だと思っていたのに
それも作戦だったのか
彼らは亡くなったのか
もう今さらだ
どうすることもできない
酒井「良心が痛むのか」
加山「いや」
成田「じきにそんな気持ちも消えうせる」
加山「そうだな」
遠藤「じゃあ装置はまだ眠ったままなのか」
成田「あぁ、そうだ
司令センターの邪魔が入り
Zagira様はこの世界のボスであり
言わば、核でもあった
司令センターが我々の根源を突き止め
攻撃を仕掛けたことにより
計画の途中で終わってしまっている」
遠藤「そうだったのか」
成田「また新たに計画を立てる必要がある」
佐藤「海外の暴動騒ぎは関係ないのか」
酒井「関係している」
佐藤「関係しているのか」
成田「地球の核は日本であり
核である日本が危機に直面すると
それに付随して周りの国も
異変が起きる仕組みとなっている」
佐藤「ということは、日本が滅びれば
他の国も滅び地球は滅亡するのか」
酒井「そんなところだ」
佐藤
まさかそんな仕組みだったとは
海外に逃亡しようとしていたが
どのみち助からない運命だったのか
「一回目の注入は終了だ
体調は、最悪そうだな
明日、二回目の注入を行う」
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