第10話 Confirmation

酒井「いいか


今からZagira様が残してくれたレシピを元に


お前らにDark因子を注入していく」


佐藤(元内科医)「因子を注入.....?」


成田「そうだ


見た目は地球人と変わりないかもしれないが


いや、完全なる地球人の君らからしたら


俺の外見は人間らしさを


失ってしまってるのかもしれないが


俺らは、Hybrid」


遠藤(元Escape plan )「Hybridって


どういう意味なんだ」


酒井「俺の体の中にはごく僅かな


地球人の因子と


多くのDark因子が含まれている


もともとこの世界のボスはZagira様だった


そのZagira様は


もともと俺らがいた地球と闘い


亡くなってしまった」


加山(元Escape plan )「Zagira」


成田「様をつけろ


Zagira様は生前にこの世界が


滅亡することがないよう


俺らにある仕掛けを残していった


Hybridである証拠に」


バッ

服を捲くり上げる


心臓を押す


ウィーン

開く


男1「うわっ、すげぇな」


カチ


酒井「右側にスイッチを切り替えると


地球の因子のみとなる」


カチ


酒井「反対に左側に切り替えると


Dark因子のみとなる」


男2「まじか」


成田「Zagira様が残してくれたこの身体で


自由に地球とこの世界とを行き来できる


そして今度こそ地球を乗っ取る」


佐藤「地球を乗っ取る


そんな計画がこの世界にはあったのか」


成田「あぁ


これまでの説明で理解したと思うが


俺らは地球と敵対している


だが、ここにいる者全員が元は地球人


地球を乗っ取る為には


地球の因子を残しておくことも必要となる


司令センター、地球側の人間は


我々の勢力を数値化して判断している


あえてそこを利用する」


遠藤「どう利用するんだ」


「地球に行く時は、地球の因子に切り替える


そうすれば、司令センターの人間は


俺らを数値化することができず


俺らの存在に気づくこともない」


加山「なるほど」


今和田「ただ、ここで問題がある


この世界の因子、つまりDark因子を


多く持つ俺らにとって


地球はもはや


かつてのような住みやすい世界ではない


体内にある地球因子は僅かであり


地球のエネルギーは重苦しく感じ


色々と異変を感じるはずだ


よって短期間しか留まることができない


体となってしまう


司令センターは


地球を4次元世界に移行させることを


目論んでいるはずだ


なんとしても阻止をする


俺らの様な闇を含む人間は


4次元世界に上がることができない」


佐藤「上がれない理由は何なんだ」


酒井「4次元より上の世界には


闇意識を持つ者は存在しない」


遠藤「だったら、俺たちは3次元世界に


留まればいいんじゃないのか」


酒井「それは不可能だ


もともとこの世界は


2.5次元世界に位置していた


それが、ある一人の転生者が誤って


我々の世界を3次元世界に引き上げたと


聞いている


意図的に引き上げられた


本来であれば、不可能だった


地球が次の次元に移行完了してしまえば


俺らは、またもとの2.5次元世界に


引き戻されてしまう


それが本来の留まるべき場所だからだ


この世界に行ったことはないが


闇の因子を持つ人間でも


非常に住みにくい世界と聞いている


いいか


何としても地球を乗っ取るんだ」


加山「乗っ取る....か」


佐伯「俺らは地球を捨てた人間の集まり


亡きZagira様の意思を継いで


地球を滅ぼすことに尽力する」


男3 地球を捨てる


そんなつもりはなかった、俺


男4 俺もだよ


突然、魂を救済するって言われたから


訳も分からずただついてきたんだけど





回想する


神聖樹海


このカプセルを飲めば


俺の命と引き換えに俺の罪はリセットされ


来世で罪を償わなくてすむ





ゴクッ

覚悟を決める





トントン

肩を叩かれる


えっ、何だ





振り返るな





誰だ?





誰でもない





どうする?





どうするって何がだ

 




このまま死んでいくのか





もうそれしか方法がない





お前は、この世界で何をしたんだ





人を殺してしまった





殺人か





あぁ





で、そのカプセルを飲んで自殺するのか





そんなところだ


それに、どうせここにいたって


いずれ捕まって刑務所に入るのが落ちだ


生きてたって仕方がない

 



そうは思わないが





えっ





この世界ではそうかもしれないが


別の世界ならどうだ





別の世界? 





あぁ、これが本当の魂救済プロジェクトだ





俺を救ってくれるのか





救うという言葉が正しいかは分からないが


我々の世界に来れば


罪などという意識はなくなる





酒井「この中に


まだ決意できていない者はいるか」


いや、決意も何もいきなり言われても


あぁ、何が何だか


俺は、この世界に留まる


どうせ地球にいたって未来はない


もともと罪と引き換えに死ぬ予定だったんだ


だったらこの世界で


Hybridとして新しい生を生きる


新しい生か


命を捨てて全てをリセットするか


Hybridとして再生するか


酒井「地球に戻る奴はいるか」


「.....」


「いないのか」


佐藤「俺は、ここに留まることにするよ」


男1「俺も、一度は自殺を考えたんだ


だったらここでHybridとして再生をする」


成田「では、ここにいる人間全員が


Dark Worldの住人に


なるということでいいんだな」












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