8.イケメンさんが増えました

「ん、お前が例の子か?」


「シュルカだよ、イオ。シュルカ、この筋肉バカがイオ・ダース、騎士団長。それでこっちが第8騎士団の騎士長、リード・クライザー。」


「初めまして、シュルカと申します。」


「んぁ、よろしくな嬢ちゃん。気軽に団長と呼べ。」


「リードだ。これから色々一緒にやることになるだろうけど、よろしくね。」


 おぉ...イケメン。

 ってあれ、ここ顔面偏差値高すぎやしませんか。

 団長さんも暑苦しいけど顔は綺麗に整ってるし、リード騎士長はさわやかな笑顔だ。

 なんか場違いでは...あ、女官の方々がキャーキャー言ってる。きっと私もそっち側なんだけどなぁ。


「シュルカ、来てたんだね。」


 後ろから話しかけてきたのは、魔法以外の勉強を教えてくれる先生、リィナさんだった。

 ちなみにリィナさんは今は女官、兼、騎士だけど、そもそもは第2王女に気に入られて是非侍女にと誘われ、リィナさんの成人まではこの役職で経験を積んで...ということらしい。

 じゃあなぜ騎士を?というと、普段は侍女をして、いざ誰かに王女が狙われたときその相手の警戒網から外れて王女の警護に当たるためだそうだ。

 何それ王族怖い。あ、私も王族なんだっけ、一応。


「リィナさん! おはようございます。今日はアラン師団長が騎士団を案内して下さるみたいで。」


「あぁなるほどね。むさくるしい場所だけど、悪い奴はいないから安心してね。まぁもし何かあっても私が叩きのめするからいつでも言ってね。」


 リィナさん凄く男らしい...かっこいい、そしてそのお綺麗な笑顔、素敵です。


「おいおいそりゃあんまりじゃねーか? リィナ。」


「まぁでも団長、確かに女の子にとって騎士団は怖いところでしょう。」


「その通りだよ、リード。んじゃ、さっさと行こう。ここは野郎どもがうるさいし。」


 んんん、アラン師団長、貴方も男性だったはずですが。

 まぁその顔はとても美しい女性のものですけど。


「じゃあ私はこれで失礼します。シュルカ、また明日ね。」


「はい、リィナさん。」


 そうしてリィナさんと別れたあと、団長も仕事があるからと何処かへ行ってしまい、結局私とアラン師団長、そしてリード騎士長の3人で騎士団巡りをすることになった。




 -・*・-

 騎士団、とはいえそれは第1から第8まであり、それぞれの宿舎や訓練場などがあるので敷地はそこらへんの村なんかより全然広かった。

 まぁほぼ使うことないだろうから、とサクサクと案内され、最後に来たのが第8騎士団の敷地だった。


「まずは魔物の飼育場から案内しようか。といっても、そこもかなり広いけどね。」


 と連れてこられたのは、ぱっと見牧場のようなところ。でも、そこで草を食べているのは明らかに牛じゃない。しかも向こう側の柵が見えないくらいだだっ広い。


「...あそこにいるのは?」


「わ、あれ、サンダーバードだよね! あれの羽根で良い魔道具が作れそうなんだよねぇ。一体もらってもいいかな? リード。」


 ...サンダーバードか。

 にしてもアラン師団長めっちゃテンション上がってるなぁ。絶対このために着いてきたよね。今まで各所の説明してたのリード騎士長だけだし。


「ダメに決まってるだろ、アラン。貴重な魔物をお前の実験体に出来るはずがないだろう。」


「チッ。」


 舌打ちで返したアラン師団長に、リード騎士長は溜息をついてこう言った。


「まったく。シュルカ、ここではかなり多くの種類の魔物が育てられてる。中には警戒心がかなり強いのもいるから、柵の中に入るときは誰かに声をかけるように。

 まぁとはいえ、君があれらと触れ合うのは2ヶ月の勉強期間が終わってからだから、そのときにまた詳しい注意事項なんかは話すよ、...シュルカ? いいね?」


「あっ、は、はい。分かりました。」


 少し好奇心が先走ってついついサンダーバードをキラキラした目で追ってしまったのに気づいたのだろう、リード騎士長が苦笑する。


「普通女の子は魔物は怖がるんだけどね。」


「えっ、なんでですか? あんなに綺麗な動物は初めて見ましたよ。あの中に私とペアになる子がいるんですよね...早く会いたいです!」


 するとリード騎士長に意外そうな顔で見られた。


「あぁその子、少し変わってるよね。僕も初めはびっくりしたよ。」


 貴方ほど変ではないと思うのですが、アラン師団長。


「そうか。まぁでも、怖くないならそれはそれで良いことだろう。これから嫌でも一緒に訓練していくことになるんだから、好きになれるんだったらそれに越したことはない。」


 そしてなぜ頷くのですかリード騎士長...。

 あぁ、私、こんなにイケメン(&美人さん)に囲まれてるのに、変な子っていうイメージがすっかり板についてしまいそうだよ...。


 これからは淑女としてのマナーをもっとしっかりと学ぼう、と決意するのだった。

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