3.ドSさんでした

 なにやら超絶美人がこっちを見ている!話しかけますか? YES or NO


「ねぇ、君がシャリリグランの使さん?」


 話しかけてキタァァァ。しかもこっちの状況丸わかりか!あのクソ王とクソ王子め!!


「...返事は?」


「...は、い。シュルカと申します。」


「へぇ?シュルカ、か。」


 なにやら美人さんが考え深げにニコッと笑っています。なのに私の冷や汗が止まりません。何故でしょうか。


「僕は、アリウェスタ王国魔法師団の師団長をやっている、アラン・クリアード。それで、隣国のーー大使さん、ここで働きたいって聞いたけど?」


 美人さんは男でした。


「は、い。あの、こっちに来てから凄く暇で、何か働きたいと思って。迷ったんですがとりあえずここに...。」


 そう、まだここに入ると決めた訳じゃない。一応検査を受けに来ただけ。ちなみにもう帰りたい。


「ふぅん。まぁ君も王族なら魔力はあるだろうけど。最近はすぐ辞めちゃう子が多いからなぁ、の適性も計らなきゃね?」


「へ...?」


 ってなんだ、そっちって。何かがおかしい。え、やっぱやめ


「まぁでもここは常に不足だからね。歓迎するよ?」


 ...人手じっけんたいだった絶対。

 その笑顔こっちに向けるな手を引っ張るな、あぁぁぁもうこの人確実に、

 アウトォォォォォ!!!!!!!!!




 -・*・-

 そして、今。

 なんだかポワポワとした球形のオーラの前に立っている。


「その中に入ることで魔力の有無とその適性がわかるようになってる。ちなみに魔力の適性については知ってる?」


 首を横に振る。

 シャリリグランの一般国民にとって、魔力は知らぬが仏という扱いだった。魔力を持っているのは王家とそれに次ぐ高位貴族の面々のみ。もし庶民に魔力持ちなど見つかれば...


「あぁ、あの国では庶民の魔力持ちは研究体となるか殺されるかだったか。」


 思わずビクッとする。心の中でも読んだかと思うタイミングだった。

 でも、そうなのだ。魔力持ちというのは生まれつきだが、魔法自体はある日急に発現する。本人の意思に沿わず周りを巻き込んだりして。そうやってバレた魔力持ちは国の騎士団に連れていかれ、戻ってきた人はいないという話だった。


 もし、私が魔力持ちだったら...。

 心臓がギュッとなる。


「君は一応だろうがなんだろうが、シャリリグランの姫としてここに来ている。魔力持ちだからと言って殺されることはないだろう。」


 思わぬ言葉に驚く。もしかしたらこの人、本当は優しい人だったのだろうか。


「それに、僕の魔力持ちを手放すわけがないし。」


 ボソッと言った。前言撤回である。


「とにかく、魔力持ちの適性は基本的に7つに分かれる。闇・光・火・土・水・風と、魔物使い。」


「...魔物使いってなんですか?」


「そのままだよ。本来手なづけるのが非常に難しいと言われる魔物を手なづけてしまう、透明の魔力持ち。この国の魔法師団兼騎士団の中にもそういう人たちの集団がある。」


「まぁとにかく、入ってみれば精霊が教えてくれるから。」


 トンッと背中を押される。


「えっ、ちょっ!」


 その瞬間、球体が光を出して体の中に染み込んできた。そして、


「ヒサシブリニ、ミツケタ。ヨロシクネ? トウメイデウツクシイ\€°#○サン。」


 頭の中に響く声。これが、精霊なのだろうか。


「終わったよ。透明だったね。」


「...へ。あ、そう、です、ね、透明で美しいって...。」


「え?」


「あ、いや、なんでもないです。」


「そう、じゃあ今日はこれで終わり。明日また僕の部屋に来てね。」


「はい...。」


「え、待って下さい、私まだここに入るとは言ってn」


「ん?国に魔力持ちとして返される方が良かったの?」


 こいつそれしないってさっき言ってなかったか。やばい殺される。


「明日からよろしくお願い致します、アラン師団長!!」


 満面の笑みで言うしかない。


「うん、明日ね。」


 ...お綺麗な笑顔だことで。

 はぁ、と溜息をついて部屋とは名ばかりの倉庫に戻るのだった。

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