冷静(な視線)と情熱(的文章)のあいだの人。

歯切れ良く、ぽんぽんぽんぽーん! と生まれてくる言葉を読んでいると、楽しくなってくる。

いいねいいね〜! とすいすい読んでしまう。
しかしふとぐわーっと掴まれる。
言葉だったり、その行動や決心だったり。
なんでこんなことが出来るのだろうか!?
改めて、最初から読んでみる。
勢いのいい文章だが、一つ一つすごーく冷静に物事を見て、書かれているのである。
うーむ。
これはなかなかできないよ。

以下レビュー脱線

その昔、二人の作家が男性目線と女性目線で描いたベストセラー小説があった。
で、それを読んだ僕の感想は、「女性主人公はなんでこの男(性主人公)のこと好きになったんだ!?」であった。
でも、いまはそんなことは思わない。かつてあれを読んだときの俺よ、とんだ童貞ブタ野郎だったぜ。恋とはそういうもんなんだぜ。しっくりくることなんて恋じゃねーぜ。

以上脱線終了。

なんで↑のような脱線をしたかといいますと、この物語の素晴らしいところは、まるで二つの人格が物語を紡いでいるかのような錯覚を起こさせるのです。

冷静なわたしと情熱的わたし。それがもうとにかくせわしなく行き来することによって、不思議な運動が起こっている!

途中まで読んでの感想でございます。

そんなわけで、読んで楽しい、読み返すと、お! ここすごくいいね! と文章のつなぎ方に唸らせられる、名作であります。

なので読んでね。
オススメです。

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