第3話

「それもありますけど、こう、世の中の本道じゃなくて脇道を取ってここに着いちゃいました。見たいな人も結構いるでしょ」

 Vはかなりあいまいなニュアンスで言ったがドーリーはわかった。

 山賊や盗賊の類や自分のような傭兵上がりなど、ようは訳アリや落ちこぼれという連中。

「まぁそりゃな。まだ新米ながら何となくわかるよ。裏町の荒くれ連中より法律を守る意識が低い、ってのもあれだよ。先のパーティーじゃあまりにひどいってパーティーの一人を縛り上げて衛兵に突き出したぜ。今日はその後始末の帰りさ」


 Vとドーリーは先の仕事のあと、ほかにも臨時パーティーでいくつか仕事を行っている。

 こういう臨時パーティーがなぜ臨時かといえば「常設パーティーを組めないから」臨時なのであり、基本質は安定してない。

「それはさすがに引き運が悪すぎますよ。僕も似たようなものでしたけどね」

 そういうVも、ここ一週間しないうちに自分含めた4人パーティーで他人の腕を7回ほど繋げた。

 そんな無謀と低い技術を併せ持ったパーティーに嫌気がさしたのと、さすがに人が死ぬのは避けたいという事で町の宿屋でほかのメンバーに薬で眠らせて、近くの組合事務所に駆け込んで依頼を強制的に途中終了させてもらった。

 

 組合はパーティーの内輪揉めや色恋沙汰レベルの問題でも要望があれば介入するので、こういった実力不足に伴う問題にも介入する。

 冒険者が奴隷売買や売春の元締め、密猟などの犯罪行為ににかかわってたりする事例も結構あり、それを組合が早期発見する一つの作戦が

「細かな問題でも介入してパーティーや個人の活動を監視する」

というこの路線。


 それとは別にVの話を聞いた組合の職員が

「どこの宿屋ですか?応援の冒険者を呼びますから待っていてください。しかしお疲れ様ですね」

と納期が明日までの仕事を後回しにして駆け付けたレベルという、無謀な計画と実力がないパーティーだったということもある。


 そしてその旨を組合に報告した帰り(Vだけ先に帰ることができた。ほかのメンバーはまだ組合でお説教と今後の対応を決めるために拘束されている)ばったりとドーリーと出会い、いつかみたいな雑談となったわけである。

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