悪魔の葬送、旅人の剣

作者 華や式人

8

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★★★ Excellent!!!

死を乞う悪魔を屠る男・天馬が、行き場をなくした竜人族《ドラゴニア》の女性・阿妻を拾ったところから幕を開ける物語。
和のテイストが強く漂う世界観と、芯の通った男の生き様が非常に魅力的な作品です。

無頼な悪魔たちと、それに負けず劣らずの人間たちが共存する、ごった煮の坩堝の街・清乃。
第1章では、街を取り仕切る悪党どもの、危うい均衡の上に成り立つ仮初めの平和と、水面下で蠢く権力争いの様相が描かれています。

兎にも角にも、主人公である天馬が堪らなくかっこいい!
ヒロインの阿妻さん視点での進行が多いこともあり、気付いたら惚れていました。
穏やかでさっぱりした男らしい普段の姿と、剣を振るう時の容赦のなさのギャップ。右も左も分からない阿妻さんへの優しさ。独特の訛りのある言葉遣いも、良い味出しています。

登場人物は悪党ばかりですが、読み進めるうちに気付くはずです。
彼らは情というものを知る、懐の深い悪党なのだと。
互いの腹を探りつつ、相手の立場やその先まで見越して次の一手を打つ、権謀術数のシーンは読み応えがありました。

忘れちゃいけないアクションシーン。《瞬剣》の通り名に相応しい、疾走感のある立ち回りは大きな見所の一つです。
天馬の隠された右目に宿る力が解放された戦いでは、彼の圧倒的な強さが鮮烈な印象でした。天馬かっこいい(2回目)

現在連載中の第2部では、清乃を離れて都へ向かった天馬たちのその後が描かれています。
歴史上のあの人を彷彿とさせる人物と出会ったり、天子を巡る陰謀に巻き込まれたり、油断ならない宿敵が立ち塞がったりと、落ち着く暇もない彼らの命運。
今後の展開も楽しみです。応援しています。