天藍エンゲージ! ー新人女子パイロット空戦記ー

作者 相葉ミト

丁寧すぎる機体の描写と、人間の繊細な綴りの、最強の融合

  • ★★★ Excellent!!!

航空SFと一言で言ってしまえばそれまで。ただ、異常なまでに繊細で丁寧、そして細かい航空機の描写は、読者の頭を壊す勢いで脳内にFOX4してきます。
 なぜ細かすぎる描写なのに、頭に入ってきてしまうのか。これはもう、その書き方が丁寧すぎて理解せざるを得ないのです。また脳内で補完させずにはいられない、そんなかっこよさがあります。
 機体のコックピットに座り、一連の離陸までの動作を行う。
 飛んでいる間、パイロットは何を考え、戦っている間、動翼がどのように動き、そして機体がどんな動きをするのか。
 最初から最後まで、超重量級の知識と文章が脳内に吸い込まれていくのです。

 それだけではありません
 主人公は若い女性であり、上官がいて、同僚がいます。
 戦争という状況の中、本人の目的とどう向き合っていくのか。対人関係。そういった、人間らしい話もまた、綺麗に書かれています。
 この作品が参加しているコンテストを見ればわかる通りです。
 SF、とくに戦争モノでは、ただ戦争を書くものと、人間的な描写を書くものと、いくつか種類はあると思いますが、この作品は後者です。
 戦闘描写も然ることながら、ただ戦闘機に乗って戦争をいるだけではない。その中で、主人公が何を考え、何に心を揺さぶられ、どう動くのか。彼女という一人の個人を追いかける、人間的な話が、物語を美しく彩り、非常に面白味を出しています。

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