天藍エンゲージ! ー新人女子パイロット空戦記ー

作者 相葉美人(青猫海葉)

50

18人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

読者諸君、集まったな。これよりブリーフィングを開始する。

現在、私、二式ミァハがほぼ毎日リアルタイムで連載を追いかけている小説がある。それが本作『天藍エンゲージ!』である。タイトルとあらすじを見れば分かるように、本作はれっきとした航空SFである。が、同時に本作は主人公・犬養ユキと鬼教官・バーグ少佐のラブコメでもあり、ぶっちゃけめちゃくちゃ可愛い機上AI・ぬいぬいとのバディ物でもある。

「航空SF」であることからも予想されるように、本作は戦闘妖精雪風シリーズやエースコンバットシリーズから多大なる影響を受けており……待て、レビューはまだ続いている。話は最後まで聴け。着席しろ。

うむ……諸君の中には「航空」「SF」というだけで、読解に専門知識を要求されるのではと二の足を踏む者もいるだろう。また、そもそも上記の元ネタも知らぬゆえ楽しめる予感がしない、と考える者もいるだろう。だが安心してほしい。本作は航空分野にもSFにも詳しくない者も想定した分かりやすい文体で書かれているし、雪風やエスコンといったこの分野の有名作品の知識を前提ともしていない。

そして——カクヨムユーザーにはおそらくここが重要だろう——本作におけるラブコメ描写はゲロ甘ゆえ、むしろこの点に注意されたい。鬼教官への想いを指摘されてジタバタする主人公の可愛さは尊いの一言に尽きるし、教官も実はツンデレなために二人が揃うとこの尊さが倍加される。

さらに、主人公の乗機に搭載された戦闘AI・ぬいぬいも(その名前自体はもちろん)「かみまみた」などと噛んだり、主人公を庇う形で鬼教官に口答えしたりなどと、可愛いのオンパレードである。

言うなれば本作は「ハードSF系ラノベ」である。SFらしい重厚なテーマを誰もがとっつきやすいテイストの分で語る作品は中々見つからないものである。

作品の完結、及び読者諸君らの読了を期待する。ブリ… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

航空SFと一言で言ってしまえばそれまで。ただ、異常なまでに繊細で丁寧、そして細かい航空機の描写は、読者の頭を壊す勢いで脳内にFOX4してきます。
 なぜ細かすぎる描写なのに、頭に入ってきてしまうのか。これはもう、その書き方が丁寧すぎて理解せざるを得ないのです。また脳内で補完させずにはいられない、そんなかっこよさがあります。
 機体のコックピットに座り、一連の離陸までの動作を行う。
 飛んでいる間、パイロットは何を考え、戦っている間、動翼がどのように動き、そして機体がどんな動きをするのか。
 最初から最後まで、超重量級の知識と文章が脳内に吸い込まれていくのです。

 それだけではありません
 主人公は若い女性であり、上官がいて、同僚がいます。
 戦争という状況の中、本人の目的とどう向き合っていくのか。対人関係。そういった、人間らしい話もまた、綺麗に書かれています。
 この作品が参加しているコンテストを見ればわかる通りです。
 SF、とくに戦争モノでは、ただ戦争を書くものと、人間的な描写を書くものと、いくつか種類はあると思いますが、この作品は後者です。
 戦闘描写も然ることながら、ただ戦闘機に乗って戦争をいるだけではない。その中で、主人公が何を考え、何に心を揺さぶられ、どう動くのか。彼女という一人の個人を追いかける、人間的な話が、物語を美しく彩り、非常に面白味を出しています。