第38話 またしても純魔法使いを超えた
たいっっっっっっっへん長らくお待たせ致しましたァ!
……皆さんもそろそろ呆れてるというか、むしろこの作品を忘れていた方もいらっしゃると思いますが、今日から投稿再開致します。
修正が難航していました……というのは一割程度の理由で、残りは投稿する気のない小説の執筆と、最近全く投稿できない本編最新話の執筆と、情報集めにラノベを読んだりしていました。申し訳ない……。
と、取り敢えず、どうぞ。第5章って個人的に一番黒歴史なんだよなぁ……(今更)
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そんな御門ちゃんに色々と警戒しつつも、訓練自体は滞りなく進んでいった。
俺が直接魔力を微調整してあげるから、そこに関してはうまく出来る。後はそこを体の感覚で覚えてもらえば、問題ないのだ。
イメージに関しては勿論御門ちゃんの案を採用などするはずも無く、反復練習でなんとかしてもらうことに。
戦いながらというのは慣れてもらうしかないが、[並列思考]が取得できれば一気に楽になることに違いない。
取り敢えずそれまでは、隙を付いて魔法を撃っていくスタイルになりそうだ。
そして今回重点的に鍛えたのは発動速度で、練習した魔法は火魔法の『ファイアボール』『
この二つの属性がどうやら御門ちゃんは得意らしく、それ以外はあんまりなのだとか。水と土は、使えはするけど無詠唱はまず不可能で、光闇も似たような感じ。無は、まぁ使い方がよくわからないっていうのがあるらしいが。
正直俺も無属性の使い方は正直わからない。あれは魔力にものを言わせれば取り敢えずいいみたいな感じな気がする。
魔力に物理的な体を持たせると言うんですかね? 魔力で壁作ったり、持ち上げたり、取り敢えず魔力をそのまま現実世界に干渉させて使用するのが多い。だから『無』なんだろうが。
「さて、じゃあやってみて」
「はい」
俺が言うと、御門ちゃんは一切のタイムラグなしに魔法を出現させる。
出現させたのは先ほど言った
剣に炎が纏い、『ファイアボール』と『ウィンドカッター』が飛んでいき、最後に当たったら軽く死ねそうな雷が、轟音を鳴らしながら数発降る。
威力自体こそ劇的というほど上がっている訳では無いが、別々の魔法を4種同時に、しかも無詠唱で発生させる技術は高い。というか、ぶっちゃけ勇者でもなきゃ難しいだろう。
雫ちゃんより使用している魔法の難度も数も低いが、その分無詠唱で複数扱えるのはとんでもない利点だ。
これを、戦闘中に再現してみると、御門ちゃんの攻撃を防いで立ち止まった瞬間に雷が降ってきたり、逃げようとすると風の刃に火の玉が襲ってきて、鍔迫り合いは炎を剣に纏ってきて戦いにくくなる。
特に『
誰も、自身の剣が熱で歪むイメージなどするはずもないのだ。余程頭が固くない限りは。
「よし完璧。無詠唱の技術は本当に厄介だし、対人戦じゃ負けなくなったんじゃないの?」
「はぁ、ありがとうございます……でも、トウヤ君なら絶対に今のと同じことできますよね? だって、何でもできますし」
「いやいや俺にだってできないことはあるよ。複数発動はともかく、上級以上の魔法の無詠唱は、超一流とされてるからね」
「そうですか……あれ? でもトウヤ君確か前に無詠唱で何かの魔法使ってませんでしたっけ?」
「気のせいだよ。だって俺は詠唱破棄までしか使ったことないでしょ? 多分魔法名呟いたのが聞こえなかったんじゃないかな」
「うーん……そうなのかな……」
どこか引っかかるのか、首をかしげている御門ちゃんに俺は苦笑いを向ける。
恐らく御門ちゃんが言ったのは、実力を測るために戦った時だろう。あの時は無詠唱で『
でも、まだ俺が勇者であるのを告げる時じゃない。正直教えて、それがどこからか
ここの王族に嗅ぎつけられたら面倒極まりないだろう。それでいて相手が好意的だと、こちらと困るものだ。
無干渉。それが俺の望むところである。地位は現状では探索者の
どうしても欲しくなったら、ギルドマスターに強請るなり、最悪実力行使とか、王家に迷宮から出た
なりふり構わなくなれば、やりようはいくらでもある。
「魔法の方は終了だね。魔力回復しようか?」
「はい、そうですね。魔力は……少し待ってくれますか?」
俺がさりげなく提案すると、御門ちゃんは何やら深呼吸をしだす。
「スゥー、はぁー……」
否、どうやら息を吐ききっている様子。限界まで吐ききったのか、御門ちゃんは少し苦しそうな顔をしながら、俺にコクリと頷いた。
一体なんだ? と思いつつも、取り敢えず魔力を回復させるために、魔力を同調させる。この操作にも慣れたもので、1度やったことのある相手なら既に一瞬で同調が可能だ。
心の中で「失礼します」と言って、俺は御門ちゃんの手を握る。結局手を握る方が良いのかは分からないが、おでこは精神的に辛いものがある。
俺が御門ちゃんの手を握ると、御門ちゃんはピクッと可愛らしく反応するが、お構い無しに俺は魔力を流す。
「……っ……ッ!?」
「……ねぇ、何やってるの?」
ゆっくりと魔力を流し始めた途端、ピクッピクッと体を震わせる御門ちゃん。何かに耐えるような顔をしながら、体を妙によじるというか……
「〜〜〜〜〜ッ!! ぷはっ!! はぁ……はぁ……い、いえ、声が我慢できるかと思って……」
「あ、あー、なるほどね……」
そっと、俺は目をそらした。どうやら御門ちゃんが息を全部吐ききったのは、声が出ないようにするためだったらしい。
確かに魔力を讓渡する時、雫ちゃんも喘ぎ声のような声を上げていたし、御門ちゃんも声を出していた。正直、エロい。
だから息を吐ききったと。確かに声が出ないようにはなるかもしれないけど……。
「……なんで体をあんなに
「わ、私だって好きであんな風にしたんじゃありませんっ! こ、声が出せないから、その、我慢が出来なくて……」
段々と恥ずかしくなってきたのか、プシュ~という音を立てながら御門ちゃんが俯いていく。もはや顔は赤鬼もかくやという赤に染まっており、羞恥心が凄そうだ。
……でも、言いたいことはわかる。他人にこちょこちょされたりした時とか、声を出さないと余計体がくねるよね。そんな感じだろう。
でも、声を我慢して体をよじるのも十分エロいから。こう、具体的には言わないけど、声を押し殺して我慢するというのがまた何とも……。
「……次からは普通に声出した方がいいよ。出さない方が目のやり場に困る」
「………はい」
再度の沸騰。俺に言われたことで自覚したのか何なのか、小さくコクリと頷く。
ちなみに俺の本音は、どっちもエロいし正直どっちでもいいよというものであった。
顔を赤くして我慢するというのは、もう
「……じゃあ、魔力の回復続けていい? 多分、減ったままだとだるいだろうし、支障が出るかもしれないからさ」
「………トウヤ君、それをいい理由に、私の、え、エッチな声を聞こうとしてるだけじゃないんですか?」
「俺を誰だと思ってるんだい? これはあくまでケアの一部だよ」
「だって、なんか躊躇いないし……はぁ。あまり、聞かないでくださいね。は、恥ずかしいので……」
俺は華麗に流したが、どうやら既に御門ちゃんには通用しなくなっているようだ。
それでも許可を得ることが出来ましたとさ。後半ボソボソと言っているのが可愛いのなんの。健気というか、嗜虐心を煽るというか。
ポーカーフェイスの下で無理やり欲求を押し込む。
俺は本当の意味で、これをケアとして処置しなければならない。それ以上踏み込んだら、何かしらのアクシデントが起こる。
そして、それは必ずしもいい方向のものではないのだ。ならば、ここは心を押し殺してでも、悟りを開いてでも、本物の紳士を貫かなければならない。
『据え膳食わぬは男の恥』。そんな言葉が脳裏を過ぎるが、俺は頭を振ってかき消した。
このモヤモヤとした感じは、この後の剣術訓練で晴らすとしよう。
御門ちゃんもそっちの方がいいだろう、と勝手に決めつけておく。
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ところで、流石にここまで待たせておいて何も無いというのはアレなので、今日明日は複数話投稿していきます。
第6章に入ればもう修正するところはほとんどないと思うので、そうしたら今度こそ毎日投稿ですよえぇ。
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