第3話 プロローグ~そのころの株式会社異世界商事~

「お兄ちゃんっ!いつまでも私は仕事を手伝えるわけじゃないんだからね!会社作ったんだから、求人出して人を雇うべきよっ!」

「求人を出すって、どうすればいいんだ?だって、日本にはギルドもないだろ?」

「お兄ちゃん!日本に帰ってきてもう1年もたつんだよ!いい加減、もうちょっと現代社会になじんでよっ!ほら、これ!」

 求人サイトを開いたスマホの画面を見て戸惑う兄。

「あー、ったく、今どきスマホも使えないなんて、ほら、これ!こういうのに求人出せばいいんだよっ!」

 コンビニなどで無料配布されている求人誌を渡すと、目を輝かせる兄。

「ああ、なるほど。ギルドの依頼書みたいなやつ。いい人が見つかるといいなぁー。あ、でも人を雇うなんてどうしたらいいんだろう。いつも雇われ側だったからなぁ」

「お兄ちゃんは社長になるんだから、まずは労働条件がブラックにならないように、セクハラパワハラは厳禁。男女問わずかわいいとかかっこいいとか言っちゃダメ」

「え?ええ?どうしよう、だって、かっこいいとか絶対言っちゃう。かわいいは、恥ずかしくて言えないけど……」

「それから、お兄ちゃん、うっかりギルドだとかそっち系の話は絶対に、ぜーったいにしちゃだめだからね!写真とか証拠取られて拡散とかの危険もあるから、社内スマホ禁止は当たり前として、SNSしてない人を雇ったほうがいいかも。それから、会社を始めたといっても、兄ちゃん自身知らないことが多いんだから、しっかり仕事ができる経験者がいいと思う」

「Cランクくらいの?」

「お、に、い、ちゃ、んっ!ランクなんてありません。募集するのは事務員です!事務員!パソコンの資格とか簿記もあるといいかも。あとは、私もちょっと調べるけど」


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