第五十七話 スピカの運試し《後編》

 コトリカはくちばしでニッと笑い、大きな声で銀玉の結果を発表した。


「二等……!」


 ぱぁ〜ん! 四方八方から虹色の吹き流しの演出が入って、コトリカはついに二等の内訳を告げ知らせた。


「…………10連七玉セットで〜すっ!」


 これに、周囲がどよよっとした。


「10連といえば、クジ屋で一番の当たりっちゃ当たりだな!」

「このチーム、二等の『猫飯NYAウェイトレス衣装』に『10連七玉セット』なんてどんだけ豪運なんだよ!」

「しかもちゃっかり三等も二回当ててるし……」

「実質3000円だぞ! すごすぎる!」


 俺はポカーンとするスピカの肩に手を置いた。


「ちゃっかり現金なもの当てられてよかったなスピカ」

「ですね。一回300円の七玉ですからね。ストーリーで手に入る数もかなり限られてますし」


 ルナはてくてくてく、とスピカの前に歩いていくと、賞賛の意味を込めて小さく笑った。


「スピカらしいじゃん。よかったね?」

「いえいえ、ありがとうございますお姉様!」


 にっと二人は笑った。うんうん、仲直りしてくれてよかった。

 早速『10連七玉セット』を使うために教会に向かった。すると、何やら「「「「うぉおおおおおおお〜!」」」」と熱狂する声が聞こえてきて、教会内を覗くと白いローブをまとった金髪美青年×どことなく子蛇をイメージさせる赤い衣装を来た女の子が二人、女神像の前に立っていた。


 金髪の美青年は女神像の前に……なんと大量の七玉をばらばらばらと落とした。


「もう100連」


 子蛇の双子ちゃんの顔も一切表情に変化がない。こんな事態には慣れっこの様子だ。

 これに外野は大盛り上がり。「すげー29万だと⁉︎」「ありえね〜!!」とあちこちから驚きの声が上がった。

 よくそんな金額ゲームにかけられるな。なんかの大富豪なのかと思ったりする。金持ちって変態が多いからこのゲームにぞっこんなのも頷ける。


 そうして、天から光がいくつもの降り注ぎ、そのうちの一個から七色の花火がパ〜ンと上がった。

 カラフルなスターがどこかから降り注ぎ、横にずら〜っと豪華絢爛に並ぶ。


《S・S・R ☆☆☆ グリムギィルドラゴソードをGET!!》


 ルナがあっとお口に手を当てた。


「ぐ、だ……あのあんちゃんも手にいれたのか!」


 残念なのだろう。自分だけの特別な武器と思っていたからだ。

 金髪美青年はを片手で掴むと、黒光りする刀身を見て面白くなさそうに呟いた。


「《終焉シリーズ》コンプリート。行くぞ、ハンナ、アンナ」

「はいメイジ兄様」

「お腹へった〜」


 二人は野次馬をしっしとやり、メイジ兄様の道を開けた。

 俺ら三人は青い三本線をおでこに浮かべて、ひそひそ話した。


「こ、コンプリートだってにぃに」

「感じわる〜」

「世の中金だな……」


  to be continued...

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