第五十六話 スピカの運試し《中編》

 ここで6〜9回目に出た玉の色を出た順でお知らせしたいと思う。

 白、銅、白、銀である。

 俺は声に出して喜んでしまった。


「すごいぞスピカ、銀といえば二等じゃないか!」

「っやややったあぁ〜! これで少なくともお姉様と並びましたねぇ〜!」


 スピカは俺とハイタッチして、ギュ〜っとロリおぱいを俺に押し付けてハグしてきた。ゲームで再現されたものとわかっていても、やはり気恥ずかしい気分になる。こいつの胸なんて毎日のようにお風呂で見飽きてるがね? こんなこといったらルナスピ親衛隊に山林に手荒く埋葬されるかもだけど。

 妹と兄がいちゃいちゃと仲良くしているところを見て、ルナがむっとした。金ついんてしんしはちょっと意地悪なことをいってしまった。


「でもスピカ、また銅色が出てるね? これがもし、アイテム屋のご主人フィギュアだったら同じオモチャ3個でビンゴだね? きっと、心と心で通じ合ってるってことじゃない?」

「なっなんでそんなこというのですか! そんな気がしてきちゃうじゃないですか〜!」

「ふっふ〜ん」


 ルナにしてはなかなか匠な攻撃の仕方だ。スピカは青目をうるうるさせて、ここぞとばかりに「にぃに〜っ!」と俺に頼ってくる。


「安心しろ。もし当たってしまったら二人してアイテム屋の主人に売りつけてやろう。きっと自分の行いを反省する筈だ」

「そ、それは……にぃになかなかえぐいこと考えますね……よし!」


 スピカはカウンターに立っているコトリカと相対した。我ながら悪魔の計画を立ててしまったと少し思うぞ。若干、スピカに引かれてしまった。


「さっ、何が当たったのですか!」

「まずは七等の《毒解除薬》で〜す!」


 最初に出た白玉のことだ。

 しかし、問題は次なのだ。

 コトリカは羽先でサングラスをカチャっとやってDJのように叫んだ。


「おめでとうございま〜す! 三等の……」


 ごくり。俺とスピカは息を呑む。ルナも真剣なお顔をしてコトリカの白い顔面を凝視している。


「…………《猫飯NYAのウェイトレスBフィギュア》でございま〜す!」

「Bちゃあぁ〜〜〜んんっ!」


 よかった、アイテム屋の主人じゃなかった! ここまで当たって喜ばれない三等も珍しいが、猫飯NYAのBちゃんといえばいつも俺らを接客してくれる、鉛筆で描いたようなかわいいおめめをした女の子のフィギュアだ。

 スピカはひし〜っとBちゃんのフィギュアをおっきいお胸に抱きすくめた。


「かわいいかわいいかわい〜っ!」

「む〜!」


 自分の目論見が外れてしまい、ルナはちょっと面白くないらしい。


「お姉様、いつまでも自分が世界の中心とは思わないことで〜す!」


 気持ちよくなったスピカがちろっとちっさい舌を出してあっかんべーをした。ルナはむきぃ〜と幼顔を赤くして、野次馬のスピカファンたちが「むしろかわいいのはスピカちゃんだよ!」「世界で一番かわいい!」「スピカ様こそ世界の中心!」と様々なエールを送った。


 愛されてきたルナとしては耐えられなかったらしい。


「きっと、きっと二等がアイテム屋のご主人のトロフィーだよ! 立派なの!」

「まさかそんなわけ……変なフラグ立てないでくださいよ〜!」


 ガビーんとスピカは頭を抱えた。なんか呪いのアイテムみたいになってきたぞ、アイテム屋のご主人よ。運営の作った悪意あるCPだが、さすがに可哀想になってくる。

 コトリカは次の白玉を「七等の《回復ポーション》で〜す!」と説明して、いよいよ銀色の玉に言葉を続ける。


「「「ごくり!」」」


 コトリカの前で、スピカを中心に俺とルナが左右に寄り添うように並び、……おっきいにわとりのサングラスの目が三人の前でピカッとエフェクトを放った。


  to be continued...

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