第五十一話 運命の謎アイテムはここに?

「ではまずわたしらから換金させていただきますね?」

「はいこれ! ドーン!」


 スピカとルナは待ちきれないというふうにアイテムポーチからブロック状になったモンスターのパーツを店主に渡した。


《氷晶達磨の氷面》×3=1500Z

《氷晶達磨の氷鼻》×5=3500Z

《氷晶達磨の頭》×2=1600Z

《うるうる石》×5=2000Z

《クリスタルハート》×1=1000Z


「合計で9600Zだね。売るかいかわいい双子ちゃん?」

「もちろんです!」

「ぜんぶうっぱらっちゃえ〜!」


 少し、いやかなりもったいない気もしたが、義妹の双子ちゃんは即答でアイテムを全部売っぱらった。カウンターに並んだ氷晶達磨のパーツを店主は一瞬にして店の奥へとごっそり持っていく。かなりの量である。さては10体くらい倒したな!


「まいどあり双子ちゃん。かわいいね〜? まだ売りたいものはあるかい?」

「答えはYESです!」

「これを見ろ〜!」


 なんとまだあるのか! 続けてスピカとルナが出したのは真っ赤なクリスタルのパーツだった。

 周りの外野たちがガヤっとする。


「オニダルまで倒したのか!」

「初心者だろマジかよ!」

「さすがお餅プレイヤー……!」


 オニダルといったか? 赤いパーツを見るからに氷晶達磨の上位個体だろうか?

 委員長も隣で「すごーい!」と感嘆の声をもらしていた。


《赤鬼の頭》×1=12000Z


 素材は一つだけだったが、これのみで一万以上も稼ぎやがった!

 スピカとルナはえっへーんとロリ巨乳とちっぱいを一生懸命に張って、自慢げに俺と委員長を見てきた。


「どんなもんだい!」

「わたしらの合計換金額は21600Z! どうです、まだ勝てる気でいますか?」


 俺と委員長は顔を見合わせて、肩をすくめて笑った。


「やれるだけやってみるか?」

「うん」


 二人でスピカとルナと入れ替わるようにカウンターに立つ。

 なぜか、店主は義妹の金銀天使の双子ちゃんを見たまま「ご用は何かな?」と質問する。こっちに注目せい。

《→アイテムを売る》を選択して、まずはスノウラビットのパーツを売った。


《スノラビのお肉》×8=80Z

《金の角》×3=4500Z


 おお、なんと《金の角》は一個1500Zもすんのか!

 しかし、まだ到底スピカとルナには届かない。

 件の二人は背後にて、暗くにやけてる。


「これで4580円か」

「最後はこのパーツだね?」


 と委員長はデスノウラビットから破壊した黒い角を店主に差し出した。

 


「0.1パーセント!」

「うそ、出したのか!」

「なんつー運だ!」


 俺と委員長はキョトンとする。

 しかし、ここでスピカの絶叫が響いた。やけに説明口調なのはいつものことだ。


「それは! 当たると大きいのに出ないから誰も集めようとしないデスノウラビットの……はうあぁ」

「スピカちゃーん!」


 おや、スピカが意識を失いかけてルナが慌ててクッションになった。ちっこいお尻とお尻がぽにっと跳ねる。

 え、そんなにすごいのか?

 次いで、視界の金額を見てギョッとした!


《謎の角》=100000Z


「一万……じゃない?」

「じゅじゅ十万!」


 俺と委員長は仰天して、尻餅を突いた後、もちろん売っぱらった。

 よって、二人で五万ずつ山分けして万歳した。

 スピカとルナは俺らの前でおいおい泣きじゃくった。


「こここうなったら、このを……!」

「お姉様、それは絶対ダメです!」

「だって、悔しくないのスピカ!」

「悔しいですよ! でもまで失ったらわたしたちに何が残るというのですかぁ!」

「「うあぁ〜んん!!」」


 そのコントみたいなやりとりに委員長はくすくす笑った。片手はしっかり俺の左腕に抱きついて、ちょうどよい大きさの胸を押し付けて、しっぽがぶんぶん左右に揺られている。

 これにますます俺の義妹ちゃんたちは嫉妬した。


「親密度だけならまだしも、ゲームでも負けるなんてぇ……」

「ぜったい、ぜったい今度は勝つんだからぁ!」


 それから、委員長はなんと俺の首に抱きついて、ぴょこんと横ピースまでした。むろんスピカとルナはお互いに抱き合ったまま、みゃ〜! と赤い幼顔で怒った。

 こうして俺と委員長は、天才お餅プレイヤーに奇跡的に勝利したのだ。ついでに委員長はスピカとルナからライバル認定されたが、本人は全然気にしていない。

 この記事はまとめサイトにまとめられて、非常に沢山のPV数を稼ぎ出した。——きっと、グリムニル、アザレア、ネモフィラのプレイヤーランキング10位チームもこれを見て、PCの光る暗い自室でにやけてるに違いない。俺ら、にぃに、スピカ、ルナチームの永遠のライバルだ。勝手に決めちまったぜ。

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