第五十話 ちっこい女の子たちの大げんか


 ドン、ドドン! とアニメなら和風の効果音がつくだろう。

 俺&委員長VSスピカ&ルナは、アイテム屋の前に立っていた。店主であるバンダナを巻いた小太りのおっさんが、スピカとルナの方を凝視してにっこにこなのだ。なぜ、ちっこい双子ちゃんの方しか見ないのだコエーぞこいつ。

 ルナは若干、妹スピカの背に隠れつつも委員長の目を睨んでいた。スピカの方は細い腰に手を当てて、まっすぐに委員長の顔を見ている。彼女らが戦うのは俺ではなくあくまでもこの娘らしい。


 時刻は夜の十時で、最もふたおらが混雑する時間帯でもあった。アイテム屋の周りには何事かと普段の倍以上の野次馬がいた。


「それでは結果発表です〜〜ぅっ!」


 スピカはちっこい領主みたいにキリッとした顔で喋った。彼女の背に半分隠れながらもルナはむっと片頬を膨らませる。二人の目線は委員長の青目と交錯してばちばちと火花を散らした。

 委員長は、ビビることなくあくまでお姉さんの余裕で俺の腕にひしっと自分の腕を絡めたままだ。


「勝てるといいね? にぃにくん、頑張ったものね!」

「委員長、楽しかったな?」

「うんっ、とっても!」

「「えへへっ」」

「いちゃつくなぁそこの二人!」

「なんで前より仲良くなってるのですか! 腕を離して〜!」


 スピカとルナが委員長にひっついてぐいぐい服を引っ張る。委員長は「きゃ〜♡」なんて叫びながらすごく楽しげだ。

 周りのお兄ちゃん×双子ちゃんの嫉妬の視線が俺へとグサグサ刺さる。

 俺はたまりかねて喋った。


「いいから、早く換金しようぜ? ほら、明日も学校だし?」

「あ、にぃにくん。学校といえば、明日体育あるよね? バドミントンらしいから一緒にペアを組もう!」

「おお、バドミントンか! でも委員長下手くそだからな〜?」

「えと、ダメ……かな?」

「…………」

「あ、あはは、やっぱりイヤ?」

「んんんなわけないじゃ〜〜〜ん! 委員長以外の奴とペア組めるわけねえって!」

「わぁあああ〜、びっくりしたあ〜っ、このこの〜ぅ!」

「おわっ、くすぐるなってば!」

「「あはははっ」」

「「だからイチャイチャすんのやめろ〜!」」

「にぃにもノリノリでやんのやめてください!」

「ぼくたちの時となんかノリがちがう!」


 このままでは無限ループすんぞ。アイテム屋の店主はCPだからなにもいわないし、お兄ちゃん×双子ちゃんの野次馬は、スピカ派、ルナ派、隠れ委員長派、アンチ俺派に別れて様々な策略を渦巻かせている。このままでは埒が明かないぞ!

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