第四十六話 怒りの湖の生まれる時


 スピカとルナの話によると。


「よし、おっけ」

「だいぶ、素材集まって来ましたね」


 二人が氷晶達磨を倒して20回目くらいのことだった。

 再びクリスタルの雪だるまのシンボルが出て来るのを待って二人は会話した。


「だんだん、ぼく楽しくなってきたよ」

「奇遇ですねお姉様、わたしもです」


 スピカはぷくっとほっぺを膨らませて怒った。


「委員長さんと換金時の差が開いていくのを感じます。さすがにエンジョイ勢の二人ではガチの心構えを持ったわたしらには勝てないでしょう」

「だね……?」


 ルナはを氷地に突き刺してもたれかかっていた。

 すると氷晶達磨のリスポーン地点が——

 


「な、なんです!」

「あっつい!」


 熱の演出がぴりぴり二人の皮膚に走った。不快感はないがざらざらする感触だ。

 直後、氷地が溶けて、怒りの赤い雪だるまが出現する。


《大紅蓮鬼達磨 HP71/71》


 真っ赤な太陽の様な頭と胴体なのだ。目は怒っており、氷がぶくぶくと泡立ち溶けていく。


「ど、どうやら氷晶達磨を倒しまくったことにより何らかの条件を達成して、二つ名の上位モンスターが出てきてしまったようですね!」


 スピカ、ルナともに現在、Level7となっていた。それくらい氷晶達磨を連続して倒したのだ。


「待って、今の内にSP全部アタックに振っちゃうね。ぼく、攻撃しか興味ないし」


 ルナはステータス画面を開いてスキルポイントを全てattackに全振りした。一気に攻撃力が増加し、グリルニルソードを氷地から引き抜いて、切っ先で氷を砕く。


「わたしは……えっと」

「スピカはそのままでいいよ。やることはモンスターの攻撃の誘導でしょ? 武器持ってないし、スピカはちゃんと調べて振るタイプじゃん」

「ま、そうですね、はい。では、わたしは全力で怒った鬼達磨さんの視界にちらちらします!」

「頼んだよ、バカスピカ!」

「バカじゃないでーす!」


 ルナスピ親衛隊もこれは見ものと観戦者の声援を重ねた。

 双子ちゃんが一歩踏み込むと瞬間バトルに移行した。

 大紅蓮鬼達磨は口からメラメラ炎を溢れ返させる。氷が一気に溶けて熱湯の湖を生成していく!

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