第四十三話 金銀天使の嫉妬めらめら宣戦布告


 委員長は俺の隣で一緒にメニュー表を見ていた。

 店内はお兄ちゃん×双子ちゃんのスリーマンセルでびっしりで、席が空いてないのを見るや別の店に向かうお客も多かった。というか外野がすごい数で正直迷惑なのだ。

 ちなみにスピカとルナは俺らの真正面の席でジト目をして、こちらを睨んでいる。


「へえ? 今日はたいやきセットなんてメニューがあるよ? 私、これにしよっかな?」

「お、じゃ俺はこのマグロステーキ丼ってのを頼もう」

「えー? じゃ一緒の頼む、私も!」

「「えへへへっ!」」

「「いちゃつくな〜!」」


 ガダッ! スピカとルナが席を立ち、俺らの間に割って入った。ギュウギュウ押しやってくる。


「おい、どうしたスピカ、ルナ?」

「なんか恋人みたいに会話するのやめてください!」

「にぃにから離れろ〜!」

「反抗期? かわいいね?」

「誰が反抗期ですか〜!」

「子供扱いしないで!」

「「む〜!」」


 なぜ、二人ともこんなに気が立っているのだ?

 委員長、何か嫌われることでもしたか?


「悪いな委員長。普段はいい子なのだ」

「わかってるよにぃにくん。きっとお兄ちゃんが他の女の子と話してて嫉妬しちゃったんだね。大丈夫だよ、スピカちゃん、ルナちゃん? お姉さんはにぃにくんと学校で一番の仲良しなんだ。別に取ったりしないから、みんなで仲良くしようね」

「だったら、そのテーブルの下で握った手を離しなさい!」

「なんでいちいちにぃにに触るの〜!」

「あ、ごめん!」


 小紫おおかみの女の子は、ほっぺを赤くしてパッと俺から手を離した。もう慣れっこなのでこっちは気にしなかったが、義妹ちゃんからしたら気になってしまうのか。


「に、にぃにくんを見るとつい触りたくなってしまってね」

「き、危険です! 近づかせるわけにはいきません!」

「にぃにはぼくのだ!」

「モテモテだね、にぃにくん?」

「かもしれんな」

「「に、にぃに〜……っ」」


 スピカとルナはうるうるの目で降参してしまった。よくわからんが、委員長には勝てないと確信したのだ。

 おや、スピカとルナはひそひそ何か喋り始めた。

 そして二人して委員長を睨む。


「決闘を申し込みます!」

「ぼくとスピカVS委員長だ!」

「VS内容はこうです! 『この後12:00から22:00までに沢山のアイテムを集めて、道具屋で換金して高かった方が勝ち!』

「へえ、面白そうじゃん。やろうぜ委員長!」

「だね!」

「って、なぜにぃにまで参加するのですか〜!」

「そだそだ! にぃに取り合ってるのに!」

「だって2対1じゃ卑怯だろ? 頑張ろうぜ委員長!」

「う、うんっ!」

「「照れながらはにかむな〜!」」


 とても早口で「ぜったい友達と思われてないですにぃに危険です!」「委員長、女の子の顔してるもんルナにはわかるもん!」と双子ちゃんは怒っていたが、委員長はやはりお姉さんの余裕を見せ微笑している。女の子の間にはいろいろあるから大変そうである。


「勝負とあらば本気で勝ちにいくぞ委員長!」

「ねっ! お〜っ!」


 握った拳を天に向けて委員長は最後にスピカとルナを見て、勝気ににんまりした。

 勝負事の好きな委員長のことだ。この笑みにはきっと挑戦の意味が込められてるのだ。ちなみにスピカとルナはまた誤解して、自分の唇を甘噛みしていた。

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