第三十五話 VS氷晶達磨・第二形態


 クッと氷晶達磨は木の枝の膝を屈伸させた。

 直後に、バイーン! 天に向かい大きく跳ねる。


 クリスタルの雪だるまの頭に手足が生えた氷晶達磨ver2は天井の近くまで跳ねて、にやにや笑い、直後にギュルルルル! 高速回転して氷の地面の俺に突っ込む!


 バギャン!! つるつるのスケートリンクがひび割れて、畳が返されたようにぶっ壊れた。


「なんつう破壊力だ!」


 俺はぎりぎりで回避したが、まさかここまでのスピードが出るとは思わなかった。

 冷気の煙の中から、——瞬間、クリスタルのボールが回転してきた。

 パッ! 俺の前で手足を生やし、眼前でにやりとして、俺の顔面に拳打を放った。


 俺は頭を傾けて躱して、代わりの顔面パンチをこちらからもお返ししてやる。

 が、凄まじい反射神経で氷晶達磨もバウンドして躱した。


「あ〜、にぃにが戦ってます!」

「ほんとだ〜!」


 にゃんこファイトを繰り広げていたスピカ&ルナは慌てて喧嘩を中断して、俺VS氷晶達磨に突撃しようとする。

 しかし、俺はバッと片手で制した。


「待て、お前ら!」


 ビクッと足を止める双子の義妹である。

 俺は恐い目で氷晶達磨ver2を睨み、答えた。


「これは俺とこいつの戦いだ。邪魔をするな!」

「に、にぃに……本気ですか?」

「なんかキャラ違くない?」


 スピカとルナはとぼけたような顔をして若干引く。

 にやり、氷晶達磨は応えて大笑した。


「くひひひひひひひ!」


 即座に俺の懐にボールになって飛び込む!

 そこを寝そべるようにして躱して、股下から敵を蹴り上げた。


「あひ!?」


 氷晶達磨は素っ頓狂な声を上げて上空にぶっ飛ばされる。


「「きゃ〜、にぃにかっこいい〜っ!」」


 スピカとルナは両手を組み合ってぴょんぴょん跳ねた。

 かわいい義妹の双子ちゃんのエールにより、青白い蝶々が俺の背から羽ばたく。お兄ちゃん力だ!

 シュタッ! 青い蝶々の鱗粉の尾を引いて、上空にジャンプした。渾身の膝蹴りを奴の背にぶち込んだ!

 天に跳ね飛ばされた氷晶達磨ver2は——直後、天蓋から伸びていた巨大な氷柱に顔面のど真ん中から突き刺される!


「うぎゅ!」


 直後、バギィン! 粉々に砕け散り、氷の花火を爆発させた。


「「わぁあああああ〜っ」」


 スピカとルナ、二人の義妹は目をきらきらさせて大喜びする。

 氷柱の天蓋から、うるうるした、青く光る氷の結晶がドロップした。

 小石くらいの大きさだ。俺が手に取るとレトロ文字が空中に浮上した。


《うるうる石をGETした!》


 するとスピカとルナが俺の胸に跳んで来て、ムササビのようにギュッと抱きついた。

 うおぉおおおおお! とストーカー供の怒号が氷の洞窟に響き渡った。

 ようやくこれで、鍛冶屋のルミリエに依頼達成を報告できんぞ。すぐにGOなのだ!

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