第三十二話 決戦中の作戦会議


《氷晶達磨 HP34/34》


 氷の雪だるまは怪しくにやにやする。

 もちろん、俺が今まで戦ってきた中で最高クラスのHPだ。

 俺らの体力はこれだ。


《にぃに HP10/10》

《スピカ HP10/10》

《ルナ HP10/10》


 まだ、誰もHPにSPを振っていないため、とても数値は低い。氷晶達磨の攻撃を数回もろに食らえばアウトだろう。

 確かに俺らはお餅プレイヤーだが、気を抜けばやられる。


 背後にはシャとりチャンスを待つ大量の観戦者たちがいる。下手な試合はプライドのため見せられない。


 俺はやれやれ系の自覚はあるが、やる時はやる。

 こう自分に強く言い聞かせる。


「わたしたちの戦闘スタイルを決めましょう」


 スピカが銀髪をこめかみから払って喋った。

 氷の洞窟に鈴の鳴る声が反響する。


「まず、攻撃はお姉様に任せます。わたしとにぃにはサポート、敵の攻撃の誘導に徹した方がいいでしょう。基本的にこのゲームはゴリ押しが通じますが、難易度が高くなってくると戦略性も重視されます。そこを考慮しなければトップ10入り《三X天》には絶対届きません」

「よしサポートだな」

「具体的には敵の周りでうろうろします。そうすることで敵の攻撃モーションをこちらに誘導できます。その間にでルナが攻撃します」

「……あれ、グリニルソードだっけ名前?」


 俺の疑問にルナが断言した。


「グリニルソードだよにぃに!」


「「「???」」」


 三人で小首を傾げていたら白黒の蝶々が飛翔し始めた。あ、また双子力がもれてしまった。

 早速の才能発揮に観戦者らは「「「「おぉ……」」」」となる。


 むつかしい顔でスピカは続けた。


「基本的には一撃離脱。敵の動きが把握できるまで深追いしない。二人ともいいですね?」

「おう」

「?」

「ちょっとお姉様、なんで『?』なのですか。一回攻撃したら逃げる。これを繰り返す。はいご一緒に」

「えへへ」


 とりあえず笑っておく金ついんてんしに俺とスピカはジト目をした。

 ルナはアイテムポーチに右手をかざして邪竜の黒剣を実体化させた。


 先頭にグリムニルソードを両手で重そうに構えたルナ、左右に手ぶらの俺&スピカで陣を取り、初めてのチームワークを試す時が来た。


 氷晶達磨は口から「ふうぅぅ……」と冷気を発して、金色の目を光らせる。


 


《氷晶達磨の魔法攻撃 メキオン》


 空中にド派手な文字が浮いたかと思うと、刹那、世界が青の光で満たされた。


  to be continued...

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