〜 三日目 〜 午後

第二十九話 RPGは次のボスまでレベル〇〇以上


 一度、ログアウトして昼食を取った。俺は仮眠も取ろうとしたが、もちろんスピカとルナが許してくれず、午後もすぐふたごおんらいんにログインした。

 マイルームからスタートを選択した。午前の部は三人で氷の洞窟内で立ち往生になってしまったからだ。


 それぞれのベッドで目覚めた俺、スピカ、ルナは居間で合流した。銀の天使スピカと金の天使ルナは白いワンピースと黒いワンピースの上に緑色の旅人のコートを羽織った。俺も同じものを着用して会話する。


 銀の前髪を斜めに揺らしてスピカがうすい唇を開く。


「じゃ、最後の《うるうる石》を入手しに行きましょう!」

「まだ、洞窟の中、全部調べてないもんね!」


 またゲームができて嬉しいのか、自慢の黄金ツインテをルナは縄跳びする様に高速で回転させている。


「じゃ行こ〜!」

「お〜!」


 満足して、遠足でも行くみたいにうきうきで二人は玄関の扉を開けた。

 しばらく歩いて、雪山の洞窟に入る前に、一面の雪原でスピカが目を『く』のシンメトリーにして、手をぐーにロリ巨乳の前で握り、大声で吠えた。


「あぁ〜、もやもやします〜!」


 その声にどよっとする俺&ルナ&大量のストーカーたちである。ってお前らもいんのかい!

 俺はスピカに訊ねた。


「どうしたのだ?」

「だって、自分のステータスを開いてみてください!」


 皆はぴっと顔の前に淡色の半透明のウィンドウを展開する。ちなみに『皆』と表現したのは、俺とルナ以外のストーカー一同までウィンドウを開いたからである。おい、自分のことのように行動すな。人生楽しそうか。

 俺・ルナ・スピカの前に個人のステータスが表示された。


《 にぃに

  レベル2

  職業 家族 …… 》


《 スピカ

  レベル 2

  職業 家族 …… 》


《 ルナ

  レベル 3

  職業 家族 …… 》


 職業に《家族》と設定したことがもう懐かしく感じられた。

 そこでスピカが俺にぐいと顔を近づけて、人差し指を立てるいつもの先生のポーズを取った。


「3にしましょう。レベルです!」

「ああ、確かそういう予定だった」


 ルナが耐えきれず、俺の手を握ってブランコのチェーンのようにぶらぶらさせた。


「わーい! ぼくだけさ〜〜〜ん!」


 ふたごおんらいんの感情感知によって、ルナの体から青い音符のマークがぽわぽわ踊る。ご機嫌の様子である。

 パシャ、パシャパシャ! 電オタならぬルナオタの皆様がシャとりまくる。そこでスピカ派の紳士淑女たちが「スピカ様も!」「スピカ様ぁアピールして〜!」と大声で叫ぶ。


「誰がやりますか!」


 スピカが全力でツッコミ、ふんと鼻を鳴らす。で、俺はどうすればいいんと思ったが、何をしても批判されるにちがいないから、じっとしておく。

 スピカは俺の目を青目で見て話を続けた。


「恐らく、近々ボス戦もあると思います。イベントごとのボスはゲームの鉄則です。そして、わたしが主にRPGをプレイする時に守っているルールが『このボスに挑むまでに各キャラクターレベル〇〇以上!』なのです!」

「むむ、よくわからんがそれでいい——」


 と喋った瞬間、外野から「なんでよくわからんのじゃーい!」「おバカ!」と激励が飛び交う。もう喋らない! 泣いちゃう!

 結果的に、愛する妹の双子ちゃんからぽんぽん背中をなでられた。


  to be continued...

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