第二十二話 双子のなでられ合戦


《Level Up にぃに1→2 Skill Point +1》


 白玉大王を倒したら、俺の視界にレベルアップの文字が表記された。

 スピカとルナが「「わ〜☆」」と大小の胸の前で同じ様に手を組み、喜んでくれた。こうしたリアクションなどやはり双子でぴったしだ。


「これでみんなレベル2以上になりましたね!」

「ぼくだけレベル3だけどね〜?」


 ここぞとばかりにルナが金髪ツインテールを払って自慢した。俺とスピカはにっこりする。

 空から差す光によって、雪面は白銀に光っている。きらきらこぼれる雪の涙にスピカも自慢の銀髪を払いにんまりした。


「わたしの髪色と同じくらい光ってますね!」


 これにルナがちょっぴりむっとする。確かにその通りと思ったのか、黄金の太陽のオブジェクトを指差して声を大きくした。


「お日様、ぼくと同じ髪の色だ!」

「そうなの〜?」


 日差しを手の平でさえぎってにやにやするスピカにますますルナはむかむかする。

 じろりん! 睨み合う両者。また喧嘩の兆しを感じ取って、俺はルナの頭をぽんとした。


「お前の金毛だって素敵なデザインだ。俺が必死に考えて伸ばしたツインテールだよ」

「え、えへへへ……」


 ゴールデンのつむじをなでなでされ、ルナは心地好さげに自分のツインテの尾をブランコみたいに掴み、目を細くして笑った。

 やはり、これに怒ったのがスピカである。彼女は、いわなくてもわかってるよね! の青目で俺を睨む。


 よって、俺はもう片方の手でスピカの銀髪もなでた。あまり女の子の頭に触れたら気持ち悪がられる。けど、この子たちが嫌というまではこうしてやりたいと兄は思ってしまう。二人はかわいい妹だから。


 二人の頭をくしゃくしゃしたら、スピカ、ルナから白黒の蝶々がキラキラこぼれた。俺の背からもクリスタル——水の結晶の蝶々がキュワキュワ四散する。お兄ちゃん力と双子力が美しいエフェクトを発してくれた。


 そこを見る外野のプレイヤーの羨望の目が痛い。絶対にSNSで個人情報は開示しないようにしたい。特定されたら、確実に俺の身に危険が及ぶ。おそらく翌日にはアニメのように電線に絡まって死亡する俺が週刊誌に掲載されるかと。それにスピカとルナだってどんな目に遭うかわからない。


「次に集める素材は《氷の塊》《うるうる石》ですね?」


 スピカが《氷の剣》を作るため必要なアイテムを語ってくれた。

 これに俺が横からやんわり答えた。


「それならあそこかもね?」

「だね!」


 俺の言葉に、ギュっ、いつもみたいにルナは自分の右手を握らせた。せかせかのスピカを先頭に俺らは走る。

 さっき、ホワイトスライムを倒す最中、この雪山を探索した。そしたら洞窟を見つけたのだ。


 雪の崖に暗い穴が存在していた。スピカがいうには「狩りゲー等によく見られるダンジョン」らしい。


「たぶん、雪原から《氷の塊》&《うるうる石》は入手不可かと!」

「探すならここだね!」


 にんまり、双子の妹らから見上げられたので俺は頷く。三人で「「「いっせーのーせ!」」」で洞窟内に突入した。


  to be contined...

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