第3話 増える、おっさん!!

 あちぃー。


「こりゃ、酒がたらんな」

「チーズ鱈おかわりっ!!」


 ……うんっ!?


 おっさんが、二人いるっ!?


「ほれ見ろ。青年が戸惑っておるわいっ!!」


 やっぱり、おっさんが二人いるっ!!


「おっさん。暑くて細胞分裂した?」

「なにを言う。これにはちゃんと理由があってだな」

「神社のお供え物に口をつけたら分裂したんじゃ」


 ……バチが当たったのかいっ!!


「あら? それなら、これで遊べるわねぇ」


 母さんは、分裂したおっさんを不思議にも思わず、おもむろにスーパーボールを取り出した。


「サッカーやろうぜ! いくよ、おっさん」

「おぅ、おっさん」


 二人でサッカーは無理だろう。と、思っていたら。目の前で細胞分裂が始まった。


 なにこれ!? 気持ち悪っ!!


「しかしあれだな」

「分裂したら、疲れたな」


 そう言うと、すやすやと眠り始めたおっさん22人。


 なんというシュールな絵面なんだろう。バーコードハゲのちいさいおっさんが、海水パンツ一丁で雑魚寝している。しかも、22人も。


 そのうちの一人が、大事そうにスーパーボールを抱えてる。


 その姿を見ているうちに、ちょっとだけ癒されたものの、これからおっさんたちの食費、及び酒代を思うと、なぜだろう、涙が出るのだった。


 つづく

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