ただそれだけ

君の瞳からこぼれ落ちる

透明で見透かした雫は


僕の黒い靴の先に

水たまりを作りました


君の揃った歯から抜け出た

たくさんの言葉達は


僕の心臓に空間を作り

その中に入り込みました


その日はとても月が綺麗で

君が笑うには充分すぎました


僕はただ君に触れたいと思いました

君の頬に 肩に 背中に 胸に お尻に


そこには下心は少しはありましたが

それが全てだとは到底思えなかった


僕は君に触れたかったのです

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