君の名は。


「ご主人様…。」

「何だ?」

夜中。誰もが寝静まった頃、二人はまだ起きていた。

「ご主人様の名前を、教えてほしいな、と思いました。」

「わざわざ俺を起こしてまで言うことか?それ。」

「だって、名前を呼ばれて嬉しかったから…。ご主人様は、名前、呼ばれたことあるのですか?」

セレーネは少し考えるをする。

「さてな。」

「ご主人様、もし呼ばれたことがないのなら、私がご主人様の、名前を、呼びたいです。名前は大事だから。呼ばれたら、嬉しいから。どうしようもなく、嬉しいから。」

セレーネは驚いた。

(そこまでこだわるのか。)

「…セレーネ。」

「はえ?」

「俺の名前。セレーネだよ。」

ルエは少しの間固まる。

「女の子みたいな名前ですね。」

ルエは笑った。

「なっ!」

セレーネは恥ずかしくなる。そういえば確かに。言われてみればというやつだ。

「ご主人様…ではいきますよ。」

ルエはセレーネにめいっぱいくっつく。

「セレーネ、セレーネ、セレーネ!うふふ❤」

うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ❤

永遠に笑い続ける。

「どうした、壊れたか?」

「いえ、うふふ❤すごく、嬉しいなって。ご主人様の名前を呼べたから。ご主人様、これからも、たまに名前で呼ばせていただきますね。私、掃除も炊事も頑張ります、だから見捨てないでください。」

ルエは少し恥ずかしそうに言った。

そんな可愛い仕草の彼女にセレーネは。

「わかった。絶対見捨てない。だから、お前も絶対、家事を頑張ること。いいな?約束だ。」

セレーネはルエに小指を差し出す。


(。´・ω・)ん?


ルエは差し出された小指に戸惑う。

「人間はな、こうやって、小指を絡めることで、約束するんだ。それを、指切りっていうんだぞ。」


( ゚∀゚)/


ルエは顔を輝かせて、セレーネの小指に自分の小指を絡める。

「はいっ!約束ですっ!」

ルエは笑顔になった。

「さぁ、明日も早いから、もう寝るぞ。」

「はい!」

大きなシングルベッドは、二人で寝ても物足りない。

「ご主人様と、一緒に寝れるんですね!なんか、嬉しい。」

ルエはセレーネにぴったりくっつく。

そんなルエは、まだ、気づいていない。

(セレーネさん。ずっと一緒にいたいです。もっと仲良くなりたいです。この気持ち、初めてでわからないけど、いつか、主従関係以上に、なれたらな。)

そしてセレーネも。

(はぁ…。すごく可愛いやつだな。奴隷とは、思えないくらい。ずっと、一緒にいような。お前は、俺のものだから。)

お互い自分の感情に、気づいていないのだった。

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