第25話 家族会議3

続いて俺はこれからの行動の確認に移った。


「とりあえず僕は裏の森で狩りをするつもりです」

「おう、了解。行ってこい!」

「ちょっとカルム、そんなに軽く……」


そこまで心配かな?

俺ってそんなに弱く見えるか?

……そうだ、生まれたばっかで小さいんだった。


「2歳児の僕には危険だとは思うけど、雷魔法があるからよほどのことが無い限りは大丈夫だよ」


俺は回復した魔力で手元を放電させる。


「そうね、親の立場としては反対したいけど。命が懸かってるし、それは了解したわ」

「ああ、それはいいとしてだな。ライル、お前今4歳だぞ?」

「……は?」


一瞬、言葉の意味が理解できなかった。

4歳?俺がこの世界に来てからまだ2年と数ヶ月しか経っていないのに。

……そうか、俺がこの世界に来た時には“ライル”本人は2歳程まで育った後だったのか?

ってことは、一般人より成長は遅い方だったのか。

いや、そう考えるとだ。俺の元の人格はどうなったのか。


ーー謎が深まる一方だ。


「父さん、母さん、了承ありがとう。僕から話したいことは話したし、とりあえず今日はお開きにしますか」


俺はそう言って席を立つ。

自身のことは、落ち着いてからまた考えてみようと思う。

魔力も回復したので弱電流によるバフもバッチリだ。

全てを話したことでスッキリとした気持ちになった。気が晴れるってのはこういうことを言うのだろう。


そのまま椅子をしまって自室に戻ろうとして、足を止めた。


「2人とも、寝ないの?」


カルムとスフィーは寝室に向かうどころか、外に出る準備を始めようとしていた。


「そうか、ライルは知らなかったな。お前がなんやかんやしている間に、村の子供が魔物に攫われたんだ」

「私達は捜索の手伝いに行ってくるから。今日は疲れたでしょ?しっかり休みなさい」


ーーああ、なんか言ってたな。


理由を説明しながらも2人は着々と装備を整えていく。


魔物のいる森に行くとあって、入念な準備をしているようだ。

これを見てると、俺がどれだけ不用心に森へ入っていったかが伺えるだろう。

それは親も心配する訳だ。


カルムは革のチェストプレートに要所だけに鉄の板を貼ったような服装で、腰に付けたベルトには10本程のナイフが掛けられている。

さっき言っていた盗賊(シーフ)の技術を最も活かせる装備なのだろう。


スフィーは真っ白なローブを羽織り、いかにも魔導師っぽい杖を持っていた。

スフィーの職は分からないが、予想としては魔法使いかヒーラーだろうと思う。


「ふう……。じゃあ、行ってくるぜ」

「しっかり寝るのよライル」


そう言い残して2人は街へ向かって行った。


ーーカチッ


時計の針が動き、木彫りの鳥が顔を出して鳴いた。

針が指すのは正0時。


「うっし、そろそろ寝るか」


眠気に誘われベットに入る。

異世界に来てから1番長く思えた1日が、幕を閉じた。

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