第23話 家族会議

陽が沈んで暗くなった部屋の中。

火魔法の光が灯ったリビングに俺、カルム、スフィーの3人が集まっていた。


「はいでは、これから家族会議を始めます起立、礼、着席」

「おいライル、なんだその起立、れ、れい…ちゃくせき?って」

「元の世界でいうところの始まりの儀式ですよ。気にしないでください」

「そうか、わかった」


カルムは首をかしげながら、スフィーは何も言わずに俺の真似をして席に着く。

会議が始まり、始めに口を開いたのはスフィーだった。


「ライル、記憶持ちなのはなんとなく察していたわ。生まれてから一度も泣かなかったし」

「あーそっか、普通は泣くわな。うん、俺も知ってたぞ」


スフィーの発言に賛同を示すカルム。

こいつは気付いてなかったみたいだ。


「でもね、ライル。余命4年って何なのよ。改めて詳しく教えて」

「そうだぞライル、たとえお前が誰だとしても、俺らの大切な息子なんだからな。出来るだけ助けるぞ」


いつも発言が頼りないカルムでも、親としての自覚はあるのか。

ーーそれにしても、そうか、大切な息子か……俺の親は放任主義だった。

空気のように扱われてきたから面と向かって言われると、どんな反応を示していいのか迷ってしまう。

いや、考えるまでも無いのかもしれない。

簡単だ。

単純な感情を口に出すだけなのだから。


「父さん、母さん、ありがとう。存分に頼ませてもらうよ」


あれ?なんでだろう。目の奥がジンとしてきた。


「お、もうその呼び方で定着したってことでいいのか?」

「ああ、僕にとってもこの世界で唯一の両親だ。こう呼ばせてよ」


顔を上げると2人と目が合って急に恥ずかしくなってきた。だいぶキザったらい言葉を吐いたもんだ。


「とりあえずこれからもよろしく、大事な息子を守ってくれよ!」

「ええ!」「おう!」


これにて、まず1つ話が纏まった。

それと同時に俺の大切なものに家族が加わった瞬間だった。


時刻は霜10時、会議は続く……

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