第15話 逸らし合い

「あっ、2度もすいません」


あまりの驚きと単なる好奇心で少女を振り返ってしまったが、彼女が裸なのを忘れていた。

完全に盲点だ。

俺が頭の中から裸を消そうと試みている間も、少女は言葉を続ける。


「神は万物の基にして、妾達の敵。そして、奴に辿り着くには四柱を壊す必要があるのじゃ。四柱は人類の思考を極端な神への信仰に書き換える。妾の質問は洗脳されているかを判断するためじゃ」


難しいことを述べているが、要するに、神は敵であり討伐対象。→神に辿り着くには中ボスがいる。→その中ボスが洗脳を使う。→洗脳された奴、殺す。ってな感じだろう。


しかし、気にくわない。


「んで、俺の答えのどこが狂信者なんだよ」

「自分勝手な奴は、目的の邪魔かな〜って思ったのじゃ」


あ、え……俺が悪いの?

いやいや、違うだろ。

何が『邪魔かな〜』だよ!

殺される身にもなってみろよ!!


「あ、ちょっと待て。んじゃ、今だと俺を殺す必要ないよね」

「まあ、そうじゃな。ほら、この拘束を解いたら何所にでもいくがよい」


「ヨーーーッシャァアアア!!!!」


久しぶりに叫んだら、中々心地よかった。

生き残りましたよ、父さん、母さん。

無事家に帰れそうです!


そんな喜びを遮るように、なんの前触れもなく唐突に少女が口を開いた。


「御主、魂が器に合っておらんな。このままだと、いつか破綻するぞ?」

「は?」


唐突すぎてーー否、もし前置きがあったとしても言ってる意味が分からなかった。

口の端に笑みを浮かべる少女の顔は、今度は純粋に新しい玩具を見つけた子供のようにも見える。


「あ、3度もすいません」


俺は驚くと反射的に振り向く癖でもあるのだろうか……


「簡単に言うとだな……御主はそう遠くないうちに死ぬ。多く見積もっても、生きて4年だ」


端的に、そして唐突に、余命宣告をした少女。

その言葉を聞いて、俺は呆然としていた。

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