全ての間違い


クッキーの砕ける音がした

誰だ

誰の仕業なんだ

頭蓋骨の砕ける音がした

誰だ

誰の仕業なんだ

返事は無い

裏庭で

おれはおはようの意味が未だにわからないまま

春の日射しの中へと何もかもが溶けてゆく

思い出だとか

ホットバターのよう輪郭を失った

それでもいいと笑え

だがお前は誰だ?

切り刻まなくてはならないものがある

それは存在することすら許されないのだと思う

ここにあることが全ての間違いなのではないだろうか?

おれはふとそう思った

実行するならもう二度と訪れない今だ


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