この世界で瞳を閉じて
瞳を閉じて
林檎の樹の麓に横たわり
わたしはある日の午後に夢を見る
それは鮮やかな色彩によってまるで触れられるような夢だろう
その物語の終わりは永遠に訪れないでほしい
羽をもがれた天使たちが
青空を遠くに見つめ座り込んでいる
かつて旋回していた記憶
それさえ忘れ去ることが出来たなら
けれどいつまでも縛り付けるだろう
死ぬまで解放されないだろう
預言者たちの唾液が絡まり合い
わたしはこの世界で夢を見続けることが不可能
ああ
それでもさ
転げ回る豚どもが陽気に笑いながら
林檎の樹の麓で休息するわたしの元へとやって来る
頑張れの無慈悲な声援を送りながら激しい上下運動を展開し
共倒れのように悪夢の中心へと導くのだろう
意思疎通はもはや不可能
わたしは視界に映る戯言を破壊し尽くす旅へと出かけた
相変わらず豚どもが異常な臭気を発散させながら辺りを練り歩いている
それ以上、近寄ると殺すぞ
瞳を閉じて
その不愉快な景色を遮断する
そしてわたしはもう一度、目覚めるだろう
最初に行なうことは既に決めてある
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