扉を


扉を

破壊する

その予定だった

だが気付いたら既にそのあとだった

扉は破壊されていたのだ

気持ち良くも何ともない

顔も知らない誰かの手によって破壊し尽くされたあとだった

そいつに気持ち良さをぶんどられた

ちっ

おれはやる気を壮絶に無くした

おれが獲得したものはと言えば

いつでも自由に出入り出来るという虚無だった

「あーうーあー」

そんな風に涎を垂らしながらでも通行可能


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