おれのケータイ


おれのケータイがさ

おれのケータイがさ

なんで二回、言ったんだろうな

まあいいや

おれのケータイがさ

今どんな状況かお前にわかるか?

わからないだろうな

おれのケータイはおれのケータイであってお前のケータイではない

「そんなことをわざわざ詩で説明する意味があるのか?」

うるせえな

殺すぞ

単刀直入にいく

単刀直入でなくてはならないわけ

つまりおれのケータイは電池切れその寸前ってわけ

一個しか電池マークが点いてない

だからこの詩は途中で切断される恐れがある

誤字脱字なんて振り返っている場合ではない

やばいやばい

とにかく早く終わらせなくては

あーもうここで全部、終わらせちまうか?

「何も始まっていないのに?」

うるせえな

刺すぞ

背後からいきなり

始まってもいないのに終わる

それはそれでいいじゃないか

おれたちの人生と酷似している

………まだ平気か?

まだ大丈夫なのか?

おい

おれのケータイよ

まだ気力体力は残っているのか?

………

問いかけても返事無し

まとめに入ろう

今夜も星がきれいだなあ

曇りだけど


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