木端微塵


木端微塵になってくれれば

少しは安心するだろう

木端微塵になってくれれば

ああ良かったなって

この世界にも正義ってやつが存在するのだと

微笑むことも出来るだろう

木端微塵になってくれれば

その光景を頭の中の箱に収めることが出来たなら

何も起こらない毎日でも

がっかりしたりはしないだろう

固くてとても強い

そいつが木端微塵になってくれれば

拍手が自然と湧き上がるだろう

少しは晴れやかな気持ちになれるだろう

風は穏やかで

日射しも存分にあって

何処か遠くの方ではいつかの少年野球の声が聞こえている

ゆっくりと時間が流れる午後に

わたしの視界は木端微塵であってほしい

神様なんていないから

だからせめて


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