真実の庭
穏やかに散っていった
名前の知らない花たちが
「集団自殺か?」
わたしは感想を口にした
どうもそういうことではないらしかった
花の意思は関係無いのだ
自発的に花が散っていると思うなんてどうかしている
だからわたしはどうかしているという状態なのだ
「なるほど」
色々なことがわかった
わかったところでどうにもならないが
「お喋りな奴ほどすぐに射殺されるべきだね」
庭ではそのような会話が交わされていた
真実について?
庭の主は少年でその前髪が風に揺れていた
ゆっくりと終わりへと向かう光景
今のところはまだ光が溢れていて
誰かの幸せそうに笑う声も時折、聞こえて来たりした
でも残酷さは物陰で息を殺しそっと機会を伺っている
一番ふさわしい登場の瞬間を選んでいる
きみがきみで
わたしがわたしであるならば良かったのに
でもきみの半分はまるで死体みたいだった
高級そうな靴を履き
高級そうな服を着て
生きているふりを続行すればいいよ
死体が生きているふりして
しかもそいつはお喋り
少年の眉間には皺が寄った
だが何も出来やしない
真の支配者は別の所にいてこちらが想像力を働かせてもその範疇の外なのだ
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