さよならは要らない
空っぽのまま
おれは歩いて
破裂寸前の状態を維持して
あともう少しだけ
あともう少しだけ
先へ進める気がした
終わりはもうすぐそこだった
それがわかっているから
心は軽かったよ
もしかしたらそれは幸せに似た状態なのかもしれない
ぼんやりと
今なら全て許せそうな気がするよ
この世界を覆い隠そうとした嘘
直接この手でぶっ殺してやりたかったけど
無理
だからさ
お前は柔らかい椅子でにやにやと笑っていてくれ
おれはもう疲れた
何もかも放り出すことに決めたんだ
振り返ってみれば良いことなんて何一つ無かった
この世界は完全な灰色
そんな中で唯一、信じられるものを見つけた
星空に身を投じたかっただけ
もしも最後に何か一つ言えるとしたら
限りなくどうでもいいことがいい
それが空中に霧散して
さよならは要らない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます