さよならは要らない


空っぽのまま

おれは歩いて

破裂寸前の状態を維持して

あともう少しだけ

あともう少しだけ

先へ進める気がした

終わりはもうすぐそこだった

それがわかっているから

心は軽かったよ

もしかしたらそれは幸せに似た状態なのかもしれない

ぼんやりと

今なら全て許せそうな気がするよ

この世界を覆い隠そうとした嘘

直接この手でぶっ殺してやりたかったけど

無理

だからさ

お前は柔らかい椅子でにやにやと笑っていてくれ

おれはもう疲れた

何もかも放り出すことに決めたんだ

振り返ってみれば良いことなんて何一つ無かった

この世界は完全な灰色

そんな中で唯一、信じられるものを見つけた

星空に身を投じたかっただけ

もしも最後に何か一つ言えるとしたら

限りなくどうでもいいことがいい

それが空中に霧散して

さよならは要らない


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