嗚呼、青春のホリゾントライト!

作者 成井露丸

73

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★★★ Excellent!!!

この作品のキャラクターたちは感情の変化が大きく、みんな生き生き。悩み・悲しみ・怒り・笑い、それぞれ色鮮やか。それによって場面ごとにメリハリが効いていて読みやすい。

ストーリーとしては暗い気持ちを乗り越えていくメイン2人の成長に心が温かくなります。失望と焦り、未練と後悔。最初は影のあったキャラがさまざまな経験と真実に出会うことで明るく前を向いて生きていけるようになる、王道だけど良い展開です。

作品タイトル通り、すばらしき青春の一幕。

★★★ Excellent!!!

過去の失敗から、心の時間が止まったままの大学生と、
前進するための操舵手を失った演劇部員たちの物語。

彼らの長い青春の中のワンシーン。
青春は長く、終わりなど不明瞭であり、彼らは何度でも新たなスタートを切っていくことができる。

そんな希望を見せてくれる物語です。

★★★ Excellent!!!

高校演劇。
それが、この物語の舞台だ。

主人公の昴は、自分の現役時代に起こった「悲劇」により――不完全燃焼の気持ちを背負ったまま、青春の幕を閉じてしまった。

それが三年後、大学生になった昴に、当時の恩師から声がかかることになる。母校の後輩たちを、病床の恩師に変わって指導してくれないかと。

しかし、引き受けた昴を待ち受けていたのは、演劇部の看板女優からの強い反発だった――。


そんな舞台のなか。この物語は、日常の積み重ねをしっとりと描きながら進んでいく。

主に昴の視点から、ときに、まだ青々しい高校生の視点から。
それぞれの立場から感じたこと、想いを、丁寧に丁寧に重ねながら、少しずつ前に進んでいく。

喜び、憧れ、悲しみ、後悔――たくさんのものを背負いながら、みんながみんな、誰かを想い、誰かを支え、そして自分の道を探っていく。

奇をてらうことなく、その様を一途に追った優しい読後感の作品。

これは、青春を失ってしまった気がするあなたに、捧げられた物語だ。
そしてきっと、読み終えたときに気がつくだろう。
誰の青春も、失われてなんかいない。
どこかに、置き忘れてしまったかもしれないけれど。
その青春はきっと、いつだって、また――。

★★★ Excellent!!!

 主人公であるOBの大学生、現役の高校生部員たち、そして教師。
 様々な立場で関わった彼らが、ときに遠慮や蟠りを覚えつつも、肩書きによるギャップを越えて本気で魂をぶつけ合う、胸に迫る熱さに圧倒されました。
 高校演劇の面白さや繊細さと同時に、それぞれの抱える創作への愛とプライドが伝わってきました。カクヨムにいらっしゃる方ならきっと、胸に刺さるシーンが多いと思います。
 
 キャラクターも生き生きと躍動し、かつ芯の通った描かれ方をしていました。好みはあれど、誰しもに応援したくなる、あるいは喝采を送りたくなる一面がありました。「チーム物」の妙もバッチリです。そして爽香先生が最高、ありがとうございます。
 また、それぞれの視点や言葉を通した分だけ、高校演劇の姿が立体的に浮かびあがって見えたのも魅力です。

 青春を取り戻す物語であり、青春の真っただ中を駆け抜ける物語であり。
 同時に、永遠の許されない世界で、青春を受け継ぐ物語でもありました。切ないながらも、力強く心洗われるクライマックスは必見です。

 閉塞や後悔を打ち破る眩しい光、ぜひご覧ください!

★★★ Excellent!!!

完結記念に。

青春。それは中学生、高校生だけのものではない。本作はそんなことを伝えてくれます。

主人公の昴くんが、高校演劇部の後輩たちとのやり取りを通して、過去の自分と、また青春と向き合う物語。

青春って、なんだろう。
目標に突き進む直向きさ、思いが伝わらないもどかしさ、自分勝手な思い込み。
コミュニケーションの妙を華麗に織り込みながら、彼らの舞台が作られていきます。
上質な時間を是非に。