ファンタジーの名を借りた……① 坊主は蟲を放った

 これは、日常生活の苦渋をファンタジーの文脈に乗せてストレス解消しようとした筆者の浅はかな記録である。


───


兵 「隊長! 大変です!」


私 「あーもう! なんだ!

忙しいって言ってるのにさ!」


兵 「それが、先日の交渉の決裂を根にもった総本山の本願寺陰清が我が国に向けてキャタピラーの群れを放ちました!」


私 「あーもう、あの生臭坊主! うちの本部長はどうしてる!」


兵 「転売ビジネスとテーマパークにはまっちゃって廃人です!」


私 「あーーもう! じゃあ最長老のマスターシャオロンは?」


兵 「家電量販店で買った新しい家電に夢中で廃人です!」


私 「ばかやろう!」


兵 「たたたたたいへんです!

 キャタピラーが南部に殺到して付近の道路は大渋滞。出勤前の近隣住民からクレームの嵐が……」


私 「ぶちっ」


兵 「?」


私 「もういい。みんな家に帰れ。

私は部屋に籠ってオンラインゲームするから一週間は声をかけるな」


兵 「ー! そんな!」 


私 「SNSも送ってくるな。じゃな」


兵 「待って! せめてこれを!」


私 「? なにこれ?」


兵 「本です! 涼宮ハルヒの憂鬱です」


私 「(読む手が止まらない)」


兵 「リアル本屋があるってサイコーっすね!」 


私 「ぐすっ。私、生きてていいかな」


───この救いようの無い世界にマウントパンチとアモーレを。

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