アクリル



「あ、もしもし。うん、元気でやってるよ」

なに?どうしたんだろう。


「え、ああ そうね2年ぶり?知らない番号からだから悪戯かと思っちゃった。ははっごめんごめん」

つまらない嘘。 やばいな、声が上ずる。


「君だって変わらないじゃない、良い女になった?またそうやって」

変わらない、そのままだ。


「うん、あいも変わらず平々凡々。彼女?今はいないな...。仕事が忙しくて 時間もないしね」

君が忘れられなくてなんて言えるはずないだろ。


「君は..あ!ごめん、先どうぞ?大したことじゃないからさ。うん、へえーうん。それで?」

そこで話かぶるか、何でだよ。

一番聞きたい事なのに、ああもう。


「ふーん、同窓会ね?あー、えっと何日?えっと待って手帳出すから」

まあそうだよな。クッソ、期待したわ。


「.....ああ、うん大丈夫。空いてる。うん、出席で。へえ、先生も。うん楽しみだなぁ。そういや山田結婚したらしいね。うん、うん。へえ、清水か、ははっ。あいつがねえ」

探れるか、ああこう言う時なんて切り出すの。

彼氏は?なんて、バレバレだよな。よし


「あのさ、君はどうなの?いや、ほら変わった事あった?特にって、2年だぜなんかあるだろ....え?うん、へえー 子供が。うん、え?2人目?あ、ああ、うんへえ、おめでとうそれは」

いや、おかしいだろ?別れたの2年前だぞ。

なに普通に?え?Twitterにも書いてなかったのに。


「じゃあ、同窓会の時にお祝い渡すよ。なにがいい?いやいや、目出度いことは祝わなきゃ。そうだな、気にするなって。楽しみにしててよ、あ、のごめん 別の電話。うん、それじゃ12日に。また、うんじゃあね」

ツーツーツ....


実は俺の子だった可能性に賭けるか

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