ノイズ走りの記憶(7月)
この出来事さえなければ私は――、普通の子でいられたかもしれない。
事実を――あれ?私、は―――
ザッ…ザザッ…
「……お……れだ…!」
「ふざ………ないよっ!………よ?」
「あの……、……うか?」
「でも………なー、これ……」
「俺は……、………のことがっ………!」
ブツッ………
あれ?え?私、今、うーん…、よく思い出せないけど…、でも、事実を書かなくちゃね。
この日―――、7月29日は、最後の時間割に体育があった。
二時間続きで、内容は運動会の練習だった。さらに言えば炎天下の中で、私はそれに耐えきれず倒れてしまった。
しばらく誰かに背負われていたと思う。誰か、はわからなかったけど。
…おそらく保健室についたのだろう。ベッドに下されると私は―――いや、違う。
…え?なに、この、走馬灯のような、言い争いの音…。
ザッ…ザーーーーッ…
「し………対する……、本音……年!」
「!!!」
息をのむような音、強めの口調、煽るような声、火に油を注ぐような喧嘩…
そうだ、私―――、
意識がゆっくりと覚醒する。そこは―――――私の知らない場所だった。
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