★★ Very Good!! 人魚姫が振り向かせたいのは。 冬野ゆな 人魚姫+オペラ座の怪人。 これは人魚姫の話だ。 足を手に入れた代わりに、歌以外の言葉を失ってしまった人魚姫。 しかし彼女が振り向かせようとするのは王子ではなく、人々を魅了する歌にまったく振り向こうとしないある女性なのだが。 一応分類はホラーになっているものの、あまり怖くないので安心してほしい。 主題は人魚姫のほうなのだが、怪人の設定が割とそのままなので、そこは好みが分かれそう。どうしてもオペラ座の怪人の世界に人魚姫を混ぜたらどうなるかみたいなところがある。まあ単に私が怪人が好きなだけだけども……。 とまあのっけから微妙なところをあげてしまったが、情景や音楽を言葉として伝える力はとてもすごい。思わずこちらの語彙力が死んでしまった。 私のほうこそこの描写力が欲しいくらいだ。 小説としても、このまま研鑽されていったらどうなるんだろう……そっちのほうが怖い。 オチについては「あっ、そうきたか!」と膝を打った。 あんまり言ってしまうとネタバレになるのがつらいので、いい感じの読後感だったとだけ言っておいて、あとは本編をどうぞと言っておきます。 レビューいいね! 2 2019年7月14日 19:36