第49話【どうどう】

〈もしもし、俺だけど〉


〈どうしたのこんな夜遅くに〉


〈、、、〉


かけたはいいものの緊張のあまり無言になってしまう。


〈ん?

どうしたの?

聞こえてる?

おーい〉


〈あ、ああ、聞こえてるよ。

ごめんごめん〉


〈本当にどうしたの?

体調でも悪い?〉


〈いや、大丈夫だよ。

心配かけて悪いな〉


〈まあ、何も無いならいいんだけど。

で、電話の用件は何?〉


〈実はな、沙耶が俺と奈緒の関係について疑っててな。

それで今日俺達が遊んだことも知ってんだよ。

絶対に明日、今日のことを聞いてくると思うんだけど。

俺はどこまで言っていいのかなぁーと思いまして〉


〈ああ、だから電話出た時あんな変な感じだったんだ。

ごめんね気を使わせたみたいで〉


〈いや、それは大丈夫なんだがどうする?

俺と奈緒の話しが食い違っていたら困るだろ?〉


〈それはそうだね。

んー〉


それから奈緒は電話先で何かを考えてるみたいだったので俺もどうするかを考えつつ奈緒の答えを待つことにする。


〈うん!

もしもし、快人〉


〈はいはい〉


奈緒が何か思いついたみたいだ。

ちなみに俺は何も思いついてません。

約立たずでめんぼくない。


〈私が沙耶ちゃんに話すよ〉


〈え?〉


俺は、奈緒が言ってることの意味が理解出来ず、奈緒が言った言葉が俺の頭の中をぐるぐると回る。


〈だーかーらー。

私が今日のことの説明を沙耶ちゃんにするって言ってんの!〉


〈は、はい!〉


〈うむ。

わかればよろしい〉


〈でも、奈緒はそれでいいのか?〉


〈うん。

私も沙耶ちゃんに聞きたいことが沢山あったしいい機会かな?って〉


奈緒も色々考えてるんだな。

てか沙耶と話したいことってなんだろ?

喧嘩とかにならないよな?


〈喧嘩とかしないよな?〉


俺が恐る恐る聞いてみる。


〈何言ってんのよ!

そんなことするわけないじゃない!〉


俺の失言に奈緒が怒ってしまう。


〈冗談だって。

あんまり怒るなよ。

どうどう〉


〈むきー!

私は牛でも馬でもない!

人間だ!〉


〈あははっ。

やっぱり緊張せずにこんな会話が出来るのはいいな〉


〈そうね。

これからもよろしくね〉


〈ああ。

よろしく。

もうこんな時間だし寝るわ〉


〈うん。

おやすみ〉


〈おやすみ〉


そうして俺は電話を切る。


「ふぅ、ひとまず沙耶のことはどうにかなりそうで良かった。

よし、寝るか」


俺は部屋の電気を切り目をつぶる。

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