お姉ちゃんが好きでもシスコンですよ?

作者 柊柊

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★★★ Excellent!!!


 主人公の彼、夏樹君は年齢的に言えば中学生。
 けれど、学校には行ってないんです。

 ―――――引きこもり、と世間では言うんですよね。
 
 理由は様々だけれど、似たような理由でなるものは多い。
 それは、いじめです。
 
 まさに、悪そのものですよ。
 無口、根暗、引っ込み思案で、おまけに身体も小さい。
 いじめをする側の人間からすれば、格好の的。

 だから彼は、ひとつの防衛手段として学校に行くのをやめた。
 弱虫だろうと何だろうと好きに呼べばいい。
 事実、僕は逃げているのだから、と痛々しいほどの心中を語る。

 胸に刺さりました。
 悔しかった、私がその子の前にいたのなら守ってやりたいとさえ思いました。
 
 私は唇を噛みしめ、物語の冒頭を読み進めていくうちに夏樹が『AOBA』とネームプレートの掛かった姉の部屋の前で立ち止まったんです。
 
 ―――――『夜はあまり手つけないんだから、お昼くらいはしっかり食べときなよ。追伸・今日部活で遅くなるかもだから夕方になったら洗濯物取り入れといて』と、書き置きが書いてあったのを思い出し、どれくらいぶりに入ったか覚えていない姉の部屋に足を踏み入れました。

 そして―――――……。

 幸か不幸か、夏樹君の物語が動き出します。
 
 長く伸ばされた茶髪に、整った顔立ちと少し垂れ気味の瞳。
 制服のスカートから伸びる脚はすらりと細く、その身長は同年代に比べたら少し高め。高校の制服に身を包み、驚きの表情が隠せない、特別な存在。

 ―――――夏樹君の姉、青葉さん。

 それから……って、これ以上はネタバレですね。

 情景描写も細かくて、引きこもりの夏樹君の普段の様子や、姉青葉さんの夏樹君に対する心理描写はもちろん、細かい息遣いがわかるほど丁寧に描いているのは、読者は違う意味ハラハラドキドキしてしまいますよ。

 そう、気にな… 続きを読む

★★ Very Good!!

引きこもりというか、登校拒否の中学生の主人公と、そのお姉さんの物語ですね。主人公の夏樹が、何とも感情移入の難しいタイプです(そういう物語なので、そのように描写しないと物語が動かないのですが)。

が、姉の青葉は逆に非常に人当たりがよく、さらに夏樹視点と青葉視点が交互に書かれていることで、夏樹視点だけだとネガティブなイメージになりそうなところがかなり軽減されているのは、上手い作りです。

情景描写、心情描写ともに丁寧で、特に直接心情を描写せず、行動に心情を滲ませるような描き方が上手く、感心しました。まだ物語は始まったばかりですが、続きも頑張ってください。

★★★ Excellent!!!

人は生まれると親と向き合う。成長するにつれて友達を通じて社会と向き合う。そして、唐突に、異性に対する目覚めを自分の中に発見する。

いじめに遭って引きこもりになった少年は、外部との接点を無くそうと思う。しかし、いくら接点を断っても、心の中に唐突に現れた姉に対する妙な感情を消すことができない。そして、それは、そんな弟を持つ姉にとっても同じだった。守ってあげるべき存在であった弟に、男の影を見てしまう。
それが、二人の姉弟にとって幸せを生むのかそれとも不幸を生むのか、それは、まだ明らかにされていない。しかし、姉弟の中に芽生えた感情は、姉弟が子供から大人になることの証なのだと思う。

姉と弟の心理が交互に描かれることで、緊張感を持って読者を読み続けさせる。
少年少女の少し甘酸っぱい交流は、年長者には微笑ましく、同時代の若者たちには痛みを覚えるくらいの共感を与えるだろう。そういうタッチの作品をかけるのは作者様の強みだと思います。
「……」や「——」が少し多いので。そこの心理描写をもう少し磨き上げれば、作品がしまってくると思います。

二人がどうなるのか、とても気になりますので、素晴らしい作品に仕上げてください!